「ファシアを知るシリーズ ファシアの状態を決めている「水の第四の形(EZ水)」

こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。

今回はファシアを知るシリーズとして、少し新しい視点をお届けします。
テーマは、ファシアの状態を大きく左右すると考えられている
「水の第四の形、いわゆるEZ水」です。初めて聞く方も多いかもしれません。
慢性腰痛や背中の凝り、繰り返すぎっくり腰がなかなか改善しないとき、筋肉や骨だけを見ていては説明できないことがたくさんあります。その鍵として、ファシアと水の関係が注目されています。

水の第四の形とは何か

水は固体、液体、気体の三つの形があると学びます。しかし近年、それとは別の状態の水が存在することが分かってきました。それが水の第四の形と呼ばれるものです。正式には排除帯水、EZ waterと呼ばれています。

排除帯という名前の通り、この水は周囲の不純物を寄せ付けず、ある領域を作るような性質があります。コップの水のように自由に流れる水とは少し違い、生体の中の表面や膜の近くで、規則性を持った水として存在すると考えられています。

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誰が発見したのか

この概念を体系的に示したのは、アメリカのワシントン大学の研究者ジェラルド・ポラック博士です。ポラック博士は、細胞や生体組織の中の水が、私たちが普段目にする水とは違う振る舞いをすることを示しました。つまり体の中の水は、単なる水分ではなく、組織の性質そのものを左右する存在かもしれないということです。

水の第四の形の特徴

水の第四の形には次のような特徴があります。

液体と固体の中間のような性質
分子が規則正しく並んでいる
マイナスに帯電している
周囲の不純物を寄せ付けない
エネルギーを蓄える性質がある

この水は単独で存在するのではなく、タンパク質や膜の表面に接して存在します。生体の中では、コラーゲンなどの構造タンパクが多い場所で特に重要になりやすいと言われます。

どこに存在しているのか

水の第四の形は、体の中のあらゆる場所に存在すると考えられています。細胞の中、筋膜、腱、靭帯、血管の内側、関節周囲などです。特にコラーゲンが多い組織に豊富に存在します。つまり筋膜は、水の第四の形が最も重要な組織の一つになり得る、ということです。

なぜ筋膜と関係が深いのか

筋膜は柔らかく、滑り、力を伝え、衝撃を吸収する組織です。この働きができるのは、筋膜が水を大量に含み、しかも構造化された水を持っているからだと考えられています。

水の第四の形が保たれている筋膜は、滑りが良く、弾力があり、回復が早く、痛みが出にくい傾向になります。逆にこの水が失われると、乾く、滑らない、硬くなる、痛みを感じやすくなるという状態になりやすいです。

ここで大切なのは、水が少ないというより水の質が落ちているという見方です。水分を飲めばすべて解決するという話ではありません。組織の中で水がどのように存在しているか、それが動きや痛みと直結します。

ファシア(筋膜)の一部

なぜ慢性痛と関係するのか

慢性痛の多くは、筋膜が硬い、滑らない、癒着しているという状態で起こります。これは水の第四の形が壊れ、構造化された水が減っている状態とも言えます。つまり慢性痛とは、組織の水の質が落ちている状態とも捉えられます。

慢性腰痛や背中の凝りが、日によって場所が変わる、触れるだけで変化する、温めると楽になる、ストレスで悪化する、動くときだけ強く出る。こういった特徴は、筋肉の損傷や骨の変形だけでは説明しにくいことが多いです。ファシアと水の状態が関係していると考えると、こうした現象がつながって見えてきます。

水の第四の形はどうやって作られるのか

水の第四の形は次の条件で作られやすくなります。

適度な動き
やさしい圧
熱、温かさ
光、特に赤外線
呼吸による内圧変化

逆に次の要素は水の構造を壊しやすいと言われます。

動かない
冷える
強いストレス
脱水
過剰な炎症

つまり長時間同じ姿勢が続くこと、冷え、焦りや不安、急な強い刺激は、ファシアの水の状態を乱しやすい条件になります。デスクワークで腰が固まるのも、運動不足でぎっくり腰が起こるのも、スポーツの疲労が抜けないのも、すべて水と筋膜の条件として見ると一本の線でつながります。

マイオファッシャルリリースとの関係

ここでマイオファッシャルリリース(Myofascial Release:MFR)がなぜ有効になり得るのかが見えてきます。MFRで行っていることは、ゆっくりした圧、保持、温かさ、安心感です。これらはすべて、水の第四の形を回復させる条件と一致します。

適切な圧、速く動かさない。時間をかける。これが重要になります。強い刺激や速い操作は、組織の防御反応を強め、結果的にファシアの滑りや水の状態を乱してしまうことがあります。ファシア(筋膜)において水が動ける状態を取り戻すための施術だと私たちは考えています。

ファシアラボ独自の理論 痛みは筋肉や骨ではなく、ファシアと水の問題として起きている

当院では、慢性的な腰痛や背中の凝り、繰り返すぎっくり腰を、筋肉や骨の問題としてではなく、ファシアの問題として捉えています。近年、世界の研究と臨床現場の両方から、慢性的な痛みの多くは筋肉や骨ではなく筋膜に由来しているという考え方が広がってきました。

ファシアラボではさらに一歩踏み込み、ファシアの状態を決めている本質は水である、という視点を大切にしています。ファシアとは身体を包む膜ではなく、動きを生み出すネットワークです。全身を立体的につなぎ、骨や内臓、神経を支え、力を伝え、動きを調整します。このファシアが滑らかに動くか、ねじれるか、引っかかるかで身体の快適さは大きく変わります。

痛みの正体はファシアの滑走不全です。慢性的な痛みを抱える方には、画像では異常がない、日によって痛みが変わる、触れるだけで変化する、姿勢や呼吸で楽になるといった特徴がよく見られます。これは筋肉や骨の損傷よりも、ファシアの性質と一致します。

そしてファシアの滑りを決めているのは水です。ファシアの層と層の間には大量の水分が存在しています。この水が整っていると摩擦が少なく張力が分散され動きが滑らかになります。逆に水の状態が乱れると滑らない、ねじれる、引っかかる、痛みが出やすくなります。当院ではこれを水の質が落ちたファシアと表現しています。

水には第四の形があるという考え方は、ファシアの回復を理解するうえで大きなヒントになります。ファシアが健康な状態とは、この構造化された水が保たれている状態だと私たちは考えています。

まとめ 水の視点が入ると、痛みの理解が一段深くなる

水の第四の形とは、細胞や筋膜の中に存在する構造化された特別な水です。この水が保たれていると筋膜は柔らかく、滑り、回復し、痛みが出にくくなります。慢性痛やぎっくり腰を筋肉や骨だけで説明できない理由は、水という視点が抜けていたからとも言えます。

痛みは敵ではありません。身体が出している、これ以上は無理ですというサインです。そのサインの背景にあるファシアと水の状態に目を向けることで、身体はもう一度、自然な回復力を取り戻します。

慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、神谷町駅徒歩1分のファシアラボ

直接ご予約できます。

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。