「腰だけでなく背中・首・肩の凝りも関係しているのか?」それを無視していいか?

こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
腰が痛いとき、多くの方が「腰そのもの」に原因があると思いがちです。
でも実際には、背中・首・肩のこりや張りが、腰痛の“隠れた原因”になっていることがとても多いのです。
ファシア(筋膜)の視点から、その理由をわかりやすくお伝えします。

1. 筋膜(ファシア)は「全身をつなぐネットワーク」

まず知っておいていただきたいのは、筋膜は全身を包み込み、1枚でつながっている組織だということです。
筋肉や関節が個々に独立しているのではなく、筋膜という“ボディスーツ”が頭のてっぺんから足のつま先までを連結しています。

つまり、腰の筋膜が引っ張られたとき、その張力は背中・肩・首・脚にまで影響を及ぼします。
一見「腰の痛み」のように思えても、実は全身のバランスの結果として腰が頑張らされているというケースが多いのです。

全身がつながる「筋膜(ファシア)」

2. 「腰の痛み」は“結果”であって“原因”ではない

腰痛を訴える方の多くは、「腰が悪い」わけではなく、他の部位に制限があるせいで腰に負担が集中している状態です。

例えば…

  • 背中(胸腰筋膜)が硬くなる → 背骨の動きが減り、腰が反りやすくなって痛みが出る
  • 肩・肩甲骨まわりが固まる → 背中が動かず、腰が代わりに動きすぎて負担がかかる
  • 首や胸の前側が張る → 呼吸が浅くなり、姿勢や腹圧が崩れて腰にストレスがかかる

このように、**腰の痛みは「腰が悪い」からではなく、「腰が頑張りすぎている」**結果なのです。

3. ファシアは「張力のネットワーク」で動いている

身体は、骨とファシア(筋膜)によって「張力のバランスで成り立つ構造体」です。
これを**テンセグリティ構造(Tensegrity)**と呼びます。

この考え方では、一部の筋膜が硬くなると、その張力が全体に波及します。
つまり、背中・肩・首のこわばりを放置したまま腰だけをケアしても、全体のバランス(張力のゆがみ)は解消されません。

バランス良く施術することが必要になってきます。

4. 実際の施術ではどうアプローチするのか?

当院では、腰が痛い場合、局所的な治療も行います。

しかし、それだけでは急にファシア(筋膜)のバランスが変わってしまいます。

局所が悪くなっているのは確かなので、治療はしますが、腰の負担を作っている原因を考えていくことが重要です。
なぜなら、痛みのある場所は“結果”に過ぎず、“原因”は別の場所に潜んでいることが多いからです。

▶ 施術の流れ(全体のバランスを整える4ステップ)

  1. 上半身からの影響をみる(胸郭・肩甲骨・首の筋膜)
     → 呼吸や姿勢を整え、腰への負担を軽減します。
  2. 背中〜骨盤の連動を整える(胸腰筋膜・腸腰筋など)
     → 背骨全体の動きを取り戻し、筋膜のつながりを回復。
  3. 腰そのものをゆるめる(深層筋膜・神経まわり)
     → 血流と弾力を戻し、痛みの緩和へ。
  4. 足からの支えを再構築する(ハムストリングス・足裏の筋膜)
     → 下半身から姿勢の安定を取り戻し、再発を防ぎます。

このように、「全身のつながり」を見て施術することが、最も確実で再発しにくい方法なのです。

5. 「腰だけに集中すれば早く治るのでは?」という誤解

一見、「腰だけを集中的にやれば早く治る」と思うかもしれません。
ですが、筋膜のネットワークを無視してしまうと次のようなことが起こります。

  • 一時的に楽になってもすぐ元に戻る
  • 今度は別の場所(背中や首)が痛くなる
  • 体全体のバランスが崩れ、再発を繰り返す

つまり、部分的なアプローチは“その場しのぎ”に過ぎないのです。
後々は「全体性の回復」を目的としており、腰痛でも肩や首、胸をていねいにリリースするのは決して遠回りではなく、むしろ最短ルートです。

6. 背中・首・肩を無視していいか?

結論から言えば、無視してはいけません。
そこにこそ、「腰痛を引き起こす本当の原因」が隠れていることが多いからです。

たとえば、長時間のデスクワークで肩がすくみ、背中が丸まってくると、胸の筋膜が縮こまります。
その結果、腰の筋膜が引き伸ばされ、負担が集中します。

腰だけをケアするのは、**“結果だけを見て原因を放置している”**ようなものです。
ファシア(筋膜)は、全体でひとつの器官としてとらえることが重要です。

7. まとめ 〜「腰痛」は身体全体のメッセージ

腰痛は「腰の問題」ではなく、身体全体のアンバランスが生み出すメッセージです。
痛い部分だけを見るのではなく、全体の流れを整えることが根本改善への近道です。

最後に ― 腰だけではなく、「全身で治す」という考え方

腰痛、背中のこり、首や肩の張り――それらはすべて「つながっている筋膜」が発しているサイン。
全身の調和を取り戻すことが、再発しない身体づくりへの第一歩です。

ファシア(筋膜)は全身をつなぐ“身体の地図”です。
部分ではなく全体を整えることが、真の健康への近道。

腰だけでなく、身体全体のつながりを感じながら、
「根本から整う」ケアを始めてみませんか?


慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、

神谷町駅徒歩1分のファシアラボ

直接ご予約できます。

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。