ファシア(筋膜)を知るシリーズ 「ゲル化・線維化」
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
今回は、慢性腰痛や背中の凝りで悩まれている方が一度は耳にする
ファシア(筋膜)の「ゲル化・線維化」について、
臨床でどう見て、どう説明しているのかという視点でお話しします。
病院で検査をしても
異常なし
年齢のせい
と言われたけれど、痛みや重さが続いている。
そうした方にこそ、知ってほしい内容です
ファシア(筋膜)とは何かを簡単に整理します
ファシアは、分かりやすく言うと、筋肉や骨を包んでいる薄い膜のことです。
(厳密には身体のほぼ全てに存在しています)
しかし、単なる膜ではありません。
ファシアは
コラーゲンの線維
組織のすき間を満たす基質
水分
この三つからできている、動き続ける組織です。
この中でも、痛みと深く関係するのが
基質と呼ばれる部分です。
ここにはヒアルロン酸という物質が多く含まれています。
実は、慢性腰痛や背中の凝りの多くは
筋肉そのものよりも
この基質の状態変化が関係していることが少なくありません。

ファシアの「ゲル化」とは何が起きている状態か
まずはゲル化についてです。
ゲル化とは、簡単に言うと
組織の中の水分が動かなくなっている状態です。
水はあるのに、流れない。
その結果、ゼリーのように粘り気が強くなります。


ゲル化が起きる主なきっかけ
長時間同じ姿勢でいる
座りっぱなしや立ちっぱなし
同じ動作の繰り返し
軽い炎症が続く
仕事やスポーツによる使い過ぎ
精神的な緊張やストレス
冷えや水分不足
呼吸が浅くなる
血流や循環が落ちる
こうした条件が重なると、
ファシアの中でゲル化が進みます。
ゲル化が起きた組織では何が問題になるか
筋膜同士のすべりが悪くなります。
本来はスムーズに動くはずの層が、引っかかるようになります。
その結果
動かし始めが重い
朝が特につらい
じわっとした痛みが広がる
画像検査では異常が見つからないのに、
本人は確かに違和感がある。
これは、ゲル化が関係している典型的なパターンです。
慢性腰痛や背中の凝りの
初期から中期段階で、非常によく見られます。
ファシアの「線維化」とは何が違うのか
次に線維化です。
線維化は、ゲル化が長い時間放置された結果として起こることが多い状態です。
組織が硬くなるだけでなく
構造そのものが変わってしまいます。
線維化で起きていること
コラーゲンの線維が増えすぎる
線維の並び方が乱れる
組織同士が強く結びついてしまう
その結果
伸びにくい
元に戻りにくい
動きの幅が明らかに狭くなる
という状態になります。
線維化が起きる原因
ゲル化したまま何年も過ごしている
軽い炎症がずっと続いている
過去のケガや手術
固定期間が長かった
年齢とともに動く量が減った
こうした条件が重なると、
線維化が進みやすくなります。
線維化がある身体の特徴
触ると板のように硬い
スジのような感触がある
痛みの場所がいつも同じ
動かしてもあまり変わらない
病院では
年齢のせい
変形があるから
と言われやすい状態です。
ゲル化と線維化の違いを臨床目線で整理します
ゲル化は
一時的に固まっている状態です。
線維化は
固まったまま生き延びた結果の構造です。
ゲル化は比較的変化しやすい。
線維化は時間がかかる。
場所によって別々に存在している場合や両方が混在している場合もあり
分けることができないようなものでもあります。
ただし、変わらないわけではありません。
このような状態があるときに
見誤ると、刺激が足りない
ということが起こります。
研究的な背景も少しだけ触れておきます
ファシア研究では
Carla Stecco らの研究により、
ヒアルロン酸の粘り気が高くなることで
筋膜のすべりが悪くなり、痛みにつながる
という考え方が示されています。
また、ファシアの基質は
温度
圧
時間
によって性質が変わることが分かっています。
つまり
適切な刺激を入れなければ
なりません。
線維化についても
一度なったら終わり
ではなく
力の方向や時間を考えた刺激によって
再構築が起こることが知られています。
ただし
どの方向に
どのくらい
どのタイミングで
という設計が非常に重要です。
痛みをどう捉えるかという話
私たちは
痛みを悪者だとは考えていません。
痛みは
身体が今の状態を教えてくれているサインです。
ゲル化なのか
線維化なのか
あるいはその混在なのか。
それを触診と反応から読み取り
その身体に合った順番と刺激を選ぶ。
それが、ファシアラボの治療の考え方です。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、
神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ。
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
-
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。
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