病院でレントゲンやMRIを撮っても「異常なし」と言われるのに、痛みが続くのはなぜ?
「異常なし」と言われたのに痛みが消えない不思議
病院でレントゲンやMRIを撮ったのに「特に異常はありません」と言われた。
それでも腰や背中の痛みが続いている――こんな経験はありませんか?
実は、このようなケースはとても多いんです。
骨や関節に明らかな損傷が見つからなくても、痛みや不調を訴える方が後を絶ちません。
では、その「隠れた原因」はどこにあるのでしょうか。

見落とされやすい「筋膜(ファシア)」の影響
ここで注目したいのが 筋膜(ファシア) です。
筋膜とは、筋肉や骨、内臓、神経、血管までも包み込み、全身をつないでいる薄い膜のこと。
いわば「体を支える全身タイツ」のような存在です。
この筋膜が硬くこわばったり、ねじれてしまうと、骨や関節の動きが制限され、血流や神経の働きにまで影響を及ぼします。
その結果、レントゲンやMRIでは映らないのに、痛みや不快感が出てしまうのです。
筋膜がこわばる原因とは?
筋膜のこわばりにはいくつかの原因があります。
- 過去のケガや手術のあと
- 慢性的な炎症や姿勢の乱れ
- 歯並びやかみ合わせの不均衡
- 骨盤のゆがみや脚の長さの差
これらはすべて筋膜に緊張をつくり出し、体を守ろうとする「防御反応」を引き起こします。
問題は、その緊張が時間とともに強くなり、セーターが一方向に引っ張られるように全身へ広がってしまうこと。
結果として、柔軟性や自然な動きが失われ、さらに痛みや制限が増えていくのです。
痛みの正体は「体のミスアライメント」
筋膜の緊張が続くと、体は本来あるべき重力とのバランスを失ってしまいます。
立っているだけで余計なエネルギーを使い、姿勢は縮こまり、動きもぎこちなくなります。
つまり、痛みの正体は 体が本来の位置からずれてしまった“ミスアライメント(不整列)” なのです。
このズレは画像検査では映りません。だからこそ「異常なし」と診断されても、体は悲鳴を上げ続けるのです。
マイオファッシャル・リリースで根本改善へ
そこで大切なのが マイオファッシャル・リリース というアプローチです。
これは、筋膜を対象にしたやさしい徒手療法(ハンズオンケア)で、全身のつながりを整えていきます。
ポイントは「痛みのある部分だけを触らない」ということ。
筋膜は全身につながっているため、腰の痛みの原因が足首や骨盤、あるいは肩の筋膜にあることも珍しくありません。
マイオファッシャル・リリースでは、制限されている筋膜を少しずつ解きほぐし、体全体のバランスを回復させていきます。
身体を“リセット”する新しい学習
マイオファッシャル・リリースの魅力は、単なる痛みの緩和にとどまらないことです。
制限されていた筋膜が解放されると、体は「自由に動ける」という新しい感覚を学習します。
まるでパソコンを再起動するように、神経や筋肉、骨格の働きがリセットされ、自然な動きが取り戻されるのです。
これは一時的な効果ではなく、体にとっての「再教育」ともいえます。
右脳の感覚を取り戻すことが大切
現代人はどうしても「理屈」や「データ」に偏りがちです。
もちろん医学的な検査は大切ですが、それだけでは見えないものもあります。
マイオファッシャル・リリースでは、セラピストの手の感覚と患者さん自身の感覚を大切にします。
「ここが伸びている」「ここが緩んでいく」――そうした体の声を丁寧に受け止めることで、より深い変化が起こるのです。
手で触れるからこそわかること
最新の機械や数値だけでは決して感じ取れない情報があります。
それは「手で触れる」ことでしか得られない、生きた体の状態です。
皮膚や筋膜を通じてセラピストは小さな制限を感じ取り、それを解放することができます。
この“触れる力”こそ、体の自然治癒力を引き出すもっとも強力な手段なのです。
まとめ:画像検査で「異常なし」でも諦めないで
もしあなたが「異常なし」と言われながらも痛みで悩んでいるなら、その原因は筋膜にあるかもしれません。
- 筋膜は全身をつなぐ「第二の骨格」
- 画像検査では映らない制限が痛みをつくる
- マイオファッシャル・リリースで根本改善が可能
当院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】では、筋膜に特化した施術を通して、慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善するお手伝いをしています。
「どこに行ってもよくならなかった」――そんな方こそ、一度ご相談ください。
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
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私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。






