立ち仕事・歩く仕事をしている人はどうケアすべきか?
〜ファシア(筋膜)から考える“支える身体”の整え方〜
こんにちは。
神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
美容師さん、販売職の方、看護師さん、調理師さん、介護職の方など──
日常的に「立つ」「歩く」ことが多いお仕事をされている方から、よくこんな声をいただきます。
「仕事中は大丈夫でも、帰るころに腰が重い」
「足がパンパンでむくみが取れない」
「立っているだけで腰や背中まで痛くなる」
このような症状は、単なる筋肉疲労も勿論ありますが
“支える筋膜(ファシア)”が硬くなっているサインです。

結論:立ち仕事では「支える筋膜」をリリースすることが大切
長時間の立ち仕事や歩く仕事では、重力に逆らって身体を支え続けるため、
足裏・ふくらはぎ・太もも・骨盤・腰といった「下半身のファシア」が常に緊張しています。
特に次のような条件がそろうと、負担はさらに大きくなります。
- 一日中立ちっぱなし(販売・美容師・調理師など)
- 歩き回る仕事(介護職・看護師・営業など)
- 靴の中で足が蒸れる、冷える、硬い靴底を使っている
この状態が続くと、下半身の筋膜ネットワークが“縮こまり”、弾力を失っていきます。
結果的に、腰や背中のファシアまで引っ張られ、痛みが広がるのです。
マイオファッシャル・リリース(MFR)の観点では、「局所のマッサージ」ではなく、
“足から全体を整える”ことが、痛みを根本から改善する鍵になります。
① まず意識すべきは「足裏のファシア」
足の裏は、全身をつなぐファシアの“起点”とも言える重要な場所です。
立ち仕事では最も酷使される部分ですが、実はケアが行き届きにくいところでもあります。
疲れや痛みが出たとき、足裏の筋膜は「硬く・乾いたゴム」のような状態になり、
全身の張力を上方向に引っ張り上げてしまいます。
セルフケアのポイント
- テニスボールやゴルフボールで足裏をゆっくり転がす(1〜2分)
→ 強く押しすぎず、「痛気持ちいい」程度にとどめる - 足の指をゆっくり広げて深呼吸する
→ 指の間を伸ばすことで足底筋膜の滑りが改善し、血流もアップ
足裏をゆるめることで、ふくらはぎ・太もも・腰まで連鎖的に柔らかくなります。
まさに「足のリリースは全身のリリース」なのです。

② “ふくらはぎ”は第二の心臓 ― 疲労をためない動き方を
立ち仕事で疲れやすいもう一つの理由は、ふくらはぎの“ポンプ作用”の低下です。
ふくらはぎのファシアが硬くなると、血液やリンパの流れが滞り、老廃物が溜まりやすくなります。
これがむくみやだるさ、重さの原因です。
おすすめのケア
- 仕事中にかかとを大きく上下に動かす(10回程度)
→ 下肢の筋膜に“ゆっくり大きく力を込めて動かす”(長時間の固定→張力変化を作る) - 両手でふくらはぎを包み、ゆっくり撫でるようにリリースする
→ 揉むのではなく「温める・感じる」イメージで行う
ファシアは強い圧力よりも、やさしい圧やリズムに反応します。
“押す”よりも“感じ取る”ケアの方が、深部まで作用しやすいのです。
③ 腰の痛みを防ぐには「骨盤ファシアの流れ」を整える
立っているとき、腰を支えているのは骨盤まわりの筋膜(腸腰筋・大腿筋膜張筋・殿筋群など)。
ここが硬くなると、腰が反り気味になり、腰椎への圧迫が強まります。
セルフリリース例(1〜2分)
- 立ったまま両手を骨盤の横に当てる
- 骨盤を「前→後ろ→左右」と小さくゆらす
- ゆっくり深呼吸しながらリズムを保つ
たったこれだけでも、腰の奥にある「腸腰筋ファシア」が緩み、立ち姿勢の安定感が変わります。
歩きながらでも、骨盤を“浮かせるように”動かす意識を持つだけで、腰の張りが出にくくなります。
④ 「冷え」と「乾燥」がファシアを硬くする
立ち仕事中は冷房や床からの冷気で、気づかないうちに足元が冷えています。
筋膜は温度と水分にとても敏感な組織です。冷えるとすぐに粘り気が増し、滑らかさを失います。
おすすめのケア習慣
- 足首まで覆う靴下・パンツで“冷えない足”をつくる
- 就寝前に保湿クリームでふくらはぎ〜足裏を軽くなでる
- 足指を広げたり、1本1本曲げ伸ばしを行う
温め+保湿の組み合わせで、ファシアの“潤い”が保たれ、柔軟性を維持できます。
⑤ 痛みが出たときの応急ケア ― 「冷やす」より「温めて流す」
立ち仕事中に腰や脚がズキズキしたとき、「湿布で冷やす」方も多いですが、
慢性的な痛みの場合は、温めて流す方が回復が早いです。
冷やすのは捻挫や炎症の直後だけ。
それ以外の「張り」「だるさ」「疲れ」には、温めて血流を促すことが大切です。
- カイロを腰の後ろやふくらはぎに当てる
- 蒸しタオルで太もも〜腰を温める
- 入浴後に軽くストレッチする
ファシアは温度が上がると「ゲル状→液状」に変化してしなやかになります。
つまり、温めること自体が自然な“リリーススイッチ”なのです。

臨床現場で見られる変化
当院でも、立ち仕事の方(美容師・販売員・看護師・介護職など)に共通して見られる変化があります。
それは、
- 「施術後に足が軽くなり、スッと立てるようになった」
- 「夜の腰の痛みが出なくなった」
といった声です。
マイオファッシャル・リリースでは、足から腰までのファシアの“流れ”を整え、自律神経を安定させます。
その結果、身体全体のテンションバランスがリセットされ、疲れにくくなるのです。
まとめ:立ち仕事でも腰・脚を守るには?
| ケアポイント | ファシアへの効果 |
| 足裏のリリース | 全身の緊張を解く“入口”になる |
| かかとの上下運動 | 血流促進・むくみ防止 |
| 骨盤のゆらぎ運動 | 腰の深部筋膜をリリース |
| 足湯・保湿ケア | 冷えと乾燥を防ぐ |
| 温めてリラックス | ファシアの粘性を下げる |
最後に
『みんなアスリート』:座り仕事・立ち仕事は過酷なスポーツ同様、ケアの鍵です。
マイオファッシャル・リリースでは、
“動き・温度・呼吸”の3つを整えることで、ファシアが自然にゆるみ、痛みのない身体を取り戻せます。
毎日の仕事の”疲労を蓄積しないようにするのが鍵”です。
少しの意識と動きで身体は確実に変わります。
疲れをためない身体づくりをしていきましょう。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は
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投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
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私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。






