腰痛がひどくなると歩くのもつらいが、そのときはどうしたらいいか?
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
「腰が痛くて歩けない」「立ち上がるのも怖い」「動くとズキッとくる」――
そんな状態になると、不安や恐怖で体がこわばってしまいますよね。
しかし、筋膜の視点から見ると、多くの場合、その痛みは“壊れた”からではなく
筋膜(ファシア)の緊張と循環の滞りが原因で起きていることが多いのです。
今日は、「歩くのもつらい腰痛のとき、どうすればいいのか?」を、
筋膜の働きと回復の流れに沿ってわかりやすくお伝えします。
1. 「歩けないほどの痛み」は“危険信号”ではあるが、必ずしも「骨や神経の異常」とは限らない
腰痛が強くなると、「ヘルニア?」「神経が圧迫されているのでは?」と不安になります。
もちろん、しびれや発熱、発作的な痛みがある場合は医師の診察が必要です。
ですが、臨床では、多くのケースが筋膜の過緊張や循環不良によって動けなくなっている状態です。
▶ どういう状態かというと…
- 長時間の座り姿勢や中腰で、筋膜が縮こまったままロック(伸び縮みできない)
- 痛みを防ぐために体が“防御反応”を起こし、周囲の筋膜まで硬く支えようとしている
- その結果、動くたびに引っ張られる痛みが連鎖して、歩くのが困難になる
つまり、「動かすと痛い=壊れている」ではなく、
**“動きの中で筋膜が抵抗している”**状態なのです。
簡単に言うと「筋膜が伸びたり、縮んだりができない状態」と言うことです。

2. まずやってはいけないこと
痛みが強いと、「動かした方がいいのかな」「ストレッチで伸ばそうかな」と思いがちです。
しかし、状況によってはそれが逆効果になることがあります。
❌避けたほうがいいこと
- 強いマッサージ:筋膜が防御的にさらに硬くなる
- 痛みをこらえてのストレッチ:伸ばしすぎて炎症を悪化させる
- 長時間の安静:循環が滞り、筋膜が固まりやすくなる
「怖くて動けない」状態では、体が“守りモード”になっています。
強い刺激を与えるほど、筋膜は防御を強め、痛みが長引く原因になります。
3. どう対応すればいいのか?(回復の3ステップ)
「壊れた部位を修復する」というよりも、
“動ける状態”を取り戻すために、筋膜の緊張と循環を整えることを重視します。
▶ ステップ① “止めずに、ゆるやかに”
痛いからといって完全に動きを止めると、筋膜同士のすべりが悪くなり、回復が遅れます。
ポイントは、「小さく」「ゆっくり」「呼吸に合わせて」動かすこと。
できるだけ痛みの少ない、小さな動きを繰り返し行うこと
例えば:
- 仰向けや横向きで、呼吸に合わせてお腹をゆっくりふくらませる
- 骨盤をほんの少しだけ左右に揺らす
- 足首やつま先をゆっくり動かす
これだけでも、筋膜内の水分が動き出し、痛みがやわらぐきっかけになります。
▶ ステップ② “温めて流れを取り戻す”
筋膜は「温度」によって状態が変わる組織です。
冷えると粘り気が強くなり、滑らかに動かなくなります。
そのため、腰やお尻まわりをホットタオルやカイロでやさしく温めることで、
筋膜の粘性が下がり、循環がスムーズになります。
ただし、**急性期(ぎっくり腰で赤みや熱感がある時)**は、温めるとかえって悪化する場合もあります。
その際は、一時的に冷やすことも検討し、判断が難しいときは専門家に相談しましょう。闇雲に温めれば良いと言うわけではないところが難しいですね。
▶ ステップ③ “ファシアの呼吸を取り戻す”
痛みが強いとき、人は無意識に呼吸を止めがちです。
呼吸が浅くなると、横隔膜や腹部の筋膜の動きが止まり、腰の循環がさらに悪化します。
そこでおすすめなのが、「呼吸リリース」。
これはMFRでも初期段階のケアとして非常に有効です。
🌬 呼吸リリース法(1〜3分でもOK)
- 仰向けになり、お腹に手を置く
- 鼻からゆっくり息を吸い、お腹がふくらむのを感じる
- 口からゆっくり吐きながら、腰が沈む感覚を味わう
これを数回繰り返すだけで、腰まわりの筋膜が緩み、**「少し動ける感覚」**が戻ってきます。
4. 歩けるようになるまでに意識したいポイント
▶ 痛みを「ゼロ」にしようとしない
「完全に痛みが消えるまで動かない」は、かえって回復を遅らせます。
大切なのは、**“痛くない範囲で少しずつ動かす”**こと。
身体に「これは安全なんだ」と教えることで、防御反応が解除され、動ける範囲が広がっていきます。
ケースにもよりますが、大抵は動かさないと動けるようになってこないです。
▶ 支える場所を変える
歩くときに腰に痛みが出るのは、他の部位(足裏・太もも・お腹)で支えられていないからです。
腰で全体を支えようとするほど、痛みは増します。
お腹の力(腹圧)と足裏のアーチを意識することで、腰の負担を減らせます。
5. 施術でのアプローチ方法
当院では、痛みが強い段階でも無理に動かすことはしません。
防御反応で固まった筋膜層に、時間をかけてやさしく働きかけるのが特徴です。
▶ 施術の流れ
- 腰まわりの防御反応を解除(深呼吸+軽い圧)
- 骨盤・背中・お尻の筋膜をゆるめる
- 下肢〜足裏のラインを整え、重心を安定させる
- 呼吸・姿勢・歩行の再教育で、再発しにくい身体へ
筋膜が再び動き始めると、身体が「怖くない」と感じ始め、
動くほどに回復が進む流れが生まれます。
6. どのくらいで歩けるようになる?
個人差はありますが、目安としては以下の通りです。
| 状態 | 回復の目安 |
| 軽度 | 1~2回の施術+自宅ケアで改善 |
| 中度~重度 | 3~6回程度で「スムーズに歩ける」感覚が戻る |
大切なのは、「痛みをなくすこと」より「動ける身体を取り戻すこと」。
その“再教育”をサポートする施術です。
筋膜が縮みにくて痛みがある場合は、縮める方向へ動きを促し、本来の動きが出来るようにしていきます。
7. まとめ ― 「歩けない痛み」は“身体の声”
| 状況 | 対応法 |
| 動かすと痛い | 無理せず、呼吸と小さな動きで循環を戻す |
| 冷えて固い | 温めて筋膜の粘性を下げる |
| 不安で動けない | 深呼吸で防御反応を解除し、安心感をつくる |
| 歩行時の痛み | 足裏・背中・お腹の連動を再教育する |
最後に ― 「動けない身体」から「動くことで回復する身体」へ
腰痛がひどいときほど、身体は「もう動かさないで」と訴えているように感じます。
でも、実際はその反対。
身体は、「安心して動ける環境を取り戻してほしい」とサインを出しているのです。
“止まっていた身体を再び動ける状態に戻す”ためのケアです。
「痛いから動けない」ではなく、
「動くことで少しずつ痛みが減っていく」――

そんな回復の流れを、あなたの身体にも取り戻していきましょう。
つらい腰痛で歩くのも大変な方は、無理をせず一度ご相談ください。
【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】が、
ファシア(筋膜)ケアで“再び動ける身体”をサポートします。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、
神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
-
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。







