腰痛、普通のストレッチ以外に、どんなケアが根本改善につながるのか?
なぜストレッチだけでは腰痛が良くならないのか?
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
腰痛で悩んでいると、「ストレッチをしてください」と言われることが多いですよね。確かにストレッチは一時的に筋肉を伸ばし、スッキリ感を与えてくれます。
しかし「毎日ストレッチをしているのに腰痛が良くならない」という方も少なくありません。
その理由は、腰痛の背景に“筋膜(ファシア)”の**ねじれや硬さといった問題**が隠れていることが多いからです。
筋膜とは筋肉や骨、内臓を包み、全身をつないでいる薄い膜で、姿勢や動きの土台をつくっています。筋膜が硬くなったままでは、ストレッチだけでは改善が進みにくく、痛みが長引いてしまうのです。
ここでお伝えしたいのは「ストレッチが悪い」ということではありません。
大切なのは、**身体にどんなアプローチをするかによって結果が変わる**という点です。今回はその違いについてお話しします。
腰痛改善は「長期戦」――焦らず取り組むことが大切
まず、腰痛の根本改善には「長期的な視点」が欠かせません。
一日で良くなることを期待して一喜一憂すると、途中で挫折してしまいます。腰痛は日常の姿勢や生活習慣が積み重なって起きていることが多いため、改善にもある程度の時間が必要なのです。
「今日は少し軽くなった」「呼吸がしやすくなった」など、小さな変化を積み重ねていくことが大切です。
ストレッチとは異なるアプローチ ― ジョン・F・バーンズ式 筋膜リリース
腰痛改善に役立つケアとして注目されているのが、ジョン・F・バーンズ式筋膜リリースです。
これはアメリカの理学療法士ジョン・F・バーンズが提唱した方法で、筋膜の硬さや制限をやさしく解放していくアプローチです。私自身もこの考えを知ってからセルフケアの概念が大きく変わりました。
普通のストレッチやマッサージとの大きな違いは、
**「ゆっくり・持続的に」圧をかけていく**こと。
筋膜は粘り気と弾力を持つ特殊な組織なので、急に引っ張るよりも、じわじわと時間をかけた圧によって緩んでいきます。
バーンズ式セルフケアのポイント
バーンズ式セルフケアにはいくつかの基本ルールがあります。
- 優しく持続的な圧をかける
強くゴリゴリ押すのではなく、じんわりと圧を加えるのがポイントです。 - 時間をかける
筋膜が解放されるには最低90秒、場合によっては4〜6分かかります。短時間で済ませようとすると効果が半減します。 - 転がさない
フォームローラーを使った一般的な“ゴロゴロ運動”ではなく、痛みや硬さのある場所で静止して圧をかけ続けます。 - 呼吸と向き合う
圧をかけている間はゆっくり深呼吸を行い、緊張がほぐれていくのを感じます。 - 全身を意識する
腰だけでなく、足や背中など全身はつながっているため、広い視点でケアを行います。
具体的なセルフケアの例
それでは、いくつかの実践例をご紹介します。
ボールを使ったセルフケア(お尻)
- お尻の一番高い位置の外側にあるくぼみにボールを置きます。
- 椅子に座るか、壁に寄りかかり、違和感のある場所に当てます。
- 体を動かさず、そのまま約90秒圧をかけ続けます。
- 軽くなったら、少し位置をずらして他の硬い部分も探します。
ボールと壁を使ったセルフケア(背中)
- ボールを背中と壁の間に挟み、背骨の横に当てます。
- 硬い部分に当たったら、その場で静止します。
- 4〜6分ほどかけて圧を加え続けます。
- 解放感が出たらボールを別の位置に移動させます。
手を使ったセルフケア(手や腕)
- 指を回して、スムーズに動く方向と動きにくい方向を探します。
- 抵抗の少ない方向に回しながら、手首に向けて優しく圧をかけます。
- 組織が解放されるまで待ち、さらに深い動きを感じたら、抵抗のある方向にも少しずつ伸ばします。
- 他の指も同じように行います。

セルフケアの注意点
セルフケアはあくまで「補助」です。次の点に注意してください。
- 強い痛みや違和感が出たら中止する
- 持病や怪我がある場合は専門家に相談する
- 無理をせず、自分のペースで続ける
- 少し長めの圧をかけるので、身体を解放する時は「ゆっくり」戻す。
安全に行うために、必要であれば理学療法士や専門の施術者にアドバイスをもらうことをおすすめします。
根本改善のカギは「筋膜のケア」
腰痛改善は短期勝負ではありません。ストレッチだけでは届かない“筋膜の硬さ”にアプローチすることが、根本改善への近道です。
バーンズ式筋膜リリースを取り入れることで、
- 腰の痛みが軽くなる
- 呼吸が深くなる
- 全身が楽に動かせるようになる
といった変化を感じる方が増えています。

まとめ
- ストレッチだけでは腰痛が改善しないことがある
- 理由は「筋膜の硬さ・制限」が原因になっているから
- ジョン・F・バーンズ式筋膜リリースは、ゆっくり持続的に圧をかけて解放する方法
- セルフケアにはボールやフォームローラー、手を使った方法がある
- 長期的にコツコツ続けることが、根本改善につながる
腰痛に悩んでいる方は、ぜひ“筋膜へのケア”という新しい視点を取り入れてみてください。
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
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私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。






