筋肉だけでなく「筋膜(ファシア)」というものが関係していると聞いたけど、それって何?

こんにちは。
神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。

腰痛や背中のこり、肩のはりなど――
「筋肉が固まっているから」と思ってマッサージを受けても、すぐに戻ってしまう。
そんな経験はありませんか?

実は、その原因は“筋肉”ではなく、“筋膜(ファシア)”にあるかもしれません。

最近ではテレビや雑誌でも「筋膜リリース」という言葉を耳にするようになりましたが、
「筋膜って一体何?」「どうしてそれが関係するの?」と疑問に思っている方も多いと思います。

1. 「筋膜(ファシア)」とは? ― からだ全体を包み、つなぐ“もう一つの臓器”

筋膜(ファシア)とは、全身の筋肉・骨・神経・血管・内臓までも包み込み、つなげている膜状の組織のことです。

たとえば、みかんの房を包む薄い膜を思い出してみてください。
あの膜があるから、中の果肉がバラバラにならず、形を保てていますよね。

人の身体もそれと同じで、筋膜があることで全体がひとつにつながり、形を維持しています。

みかんと筋膜

医学的には筋膜は「結合組織」と呼ばれ、水分(基質)とコラーゲン繊維でできています。
そして全身をくまなく包み、まるで蜘蛛の巣のようなネットワークを形成しています。

そのため、ある部分の筋膜が硬くなると、その“引きつれ”が離れた部位の動きにも影響するのです。
つまり、腰の痛みの原因が実は太ももや背中の筋膜にある、ということも珍しくありません。

2. 筋肉との違い ― 「動かす」のが筋肉、「つなげる」のが筋膜

「筋膜と筋肉はどう違うの?」
これは多くの方が抱く疑問です。

筋肉は“力を出して身体を動かす”組織です。

筋肉の特徴

  • 自分の意思で動かせる(随意筋)
  • 酸素やエネルギーを使って収縮する

筋肉はたくさんの「筋線維(きんせんい)」という細い糸のような細胞でできておりその一本一本が収縮・弛緩を繰り返すことで力を生み出します。

筋膜の特徴

  • 全身をつなぐ“立体的な蜘蛛の巣”のような構造
  • コラーゲン繊維と水分(基質)でできている
  • 神経・血管が豊富で、痛みや感覚に関与
  • 動きの滑りを助け、衝撃を分散させる

ファシアは「動かす組織」ではなく、動きを調整し、身体の形を保つ組織

筋肉が縮んだり伸びたりするたびに、筋膜がそれを包み込み、隣り合う筋肉どうしの滑りを助けています。

一方の筋膜は、全身をまとめ、形を保ち、動きを調整する役割を持っています。


この筋膜が硬くなったり乾いて滑りが悪くなると、筋肉がうまく動けず、
痛み・コリ・可動域の制限といったトラブルを引き起こします。

3. ファシアが硬くなる原因 ― 身体と心の「記憶」が影響する

筋膜が硬くなる原因は、単に「姿勢が悪い」「運動不足」というだけではありません。

実は、過去のケガや手術、ストレス、感情の抑圧なども深く関係しています。

筋膜は神経や血管が豊富に通っており、感情やストレス反応を受け取りやすい組織です。
そのため、筋膜は身体の“感情の受け皿”のような役割も担っています。

たとえば、長く続くプレッシャーや不安を感じていると、
肩がすくんだり、呼吸が浅くなったりしますよね。
それが長期間続くことで、筋膜が防御反応として硬くなってしまうのです。

このように、身体の緊張と心の緊張はつながっており、どちらもファシアに記憶されていくと考えられています。
長年の腰痛や背中の張りが“治療してもすぐ戻る”という場合、
その奥に、ファシアの「記憶」が残っていることが多いのです。

4. 筋膜を整えると、全身が“連鎖的に”変わる

ファシアは全身をひとつにつなぐネットワークです。
そのため、ひとつの部位が変わると、他の部位にも自然な変化が起こります。

たとえば――

  • 腰痛が軽くなると、呼吸がしやすくなる
  • 背中の硬さが取れると、肩が上がりやすくなる
  • 姿勢が整うと、足のむくみが減る

これは、筋膜の「つながり」が回復することで、全身のバランスが整っていくためです。

マイオファッシャル・リリースでは、痛みのある場所だけを見るのではなく、
身体全体を一つのつながりとして捉え、滞っている部分をほどいていくことを大切にしています。

その結果――

  • 動きが軽くなる
  • 呼吸が深くなる
  • 姿勢が自然に整う
  • 痛みが再発しにくくなる

といった“連鎖的な変化”が起こります。

5. まとめ:筋膜を知ることは、「自分の身体の声を聴く」こと

筋膜(ファシア)は、単なる“膜”ではありません。
それは、あなたの身体を包み、守り、感じ、記憶する“感覚のネットワーク”です。

マイオファッシャル・リリースは、そのファシアの声を丁寧に聴き、
身体の奥にある緊張や滞りを解きほぐしていく療法です。

腰痛や背中のこりがなかなか改善しないとき、
「筋肉ではなく、筋膜が関係しているのかもしれない」――
そう考えることが、根本改善への第一歩になります。

ポイントまとめ

  • 筋膜(ファシア)は全身を包み、つなぐ「身体のネットワーク」
  • 硬くなると、痛みやコリ、動きの悪さの原因になる
  • ストレスや感情も筋膜をこわばらせる
  • 筋膜が整うと、全身の調和と回復力が戻る

拝志フィジカルセラピー ファシアラボでは、
筋膜(ファシア)の状態を丁寧に評価し、
慢性腰痛や背中のこりを根本から改善するためのファシアケアを行っています。

身体の声に耳を傾け、しなやかに整っていく感覚を、ぜひ体験してみてください。


慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、

神谷町駅徒歩1分のファシアラボ


直接ご予約できます。

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。