「ファシア(筋膜)の治療後に後に痛みが出るのは正常?“回復反応”と“注意サイン”の見分け方」
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
ファシア(筋膜)の治療を受けたあとに、
「少し痛みが出た」「だるさが残った」「翌日に筋肉痛のような感じがした」
という経験をされたことはありませんか?
結論からお伝えすると、治療後に一時的な痛みや違和感が出ることは珍しくなく、むしろ正常な反応である場合が多いです。
その理由を、筋膜(ファシア)の働きと身体の回復プロセスから解説していきます。
1. なぜ治療後に「痛み」や「重さ」を感じることがあるのか
筋膜という“全身を包む膜のネットワーク”に働きかける施術です。
筋膜は、身体の中で張力を調整し、感覚・血流・姿勢のバランスを保つ大切な組織です。
長く固まっていた筋膜のねじれや癒着が施術で解放されると、
その変化に身体が順応しようとして、一時的に「痛み」や「重だるさ」を感じることがあります。
主な理由は次の3つです。
① 血流とリンパの流れが一気に戻る
長い間、圧迫されていた部分に新しい血液が流れ込むと、
代謝が一気に活発になります。
この過程で、老廃物や炎症物質が排出されるため、
**一時的に「重だるさ」や「熱っぽさ」**を感じることがあります。
② 筋膜の張力バランスが“再調整”される
今まで動かなかった部分が動き出すと、
「新しく使い始めた筋肉」や「休んでいた筋膜ライン」が刺激されます。
これは、身体が正しい姿勢や動きを取り戻すための再学習のようなもので、
軽い筋肉痛のような違和感を感じることがあります。
③ 神経感覚のリセットによる“知覚変化”
筋膜には多くの感覚受容器(メカノレセプター)があり、
温度・圧力・張力などを感じ取るセンサーの役割をしています。
施術によってそのセンサーが再び動き出すと、
「感じ直す」プロセスで一時的に痛みが強く出ることがあります。
2. 一時的な痛みと「危険な痛み」の違い
施術後の痛みには、「回復反応」と「注意すべきサイン」があります。
次の表を参考にして、自分の反応を見極めてみましょう。

| 痛みのタイプ | 状態 | 対応 |
| 鈍い・重い・だるい | 筋膜の再調整・循環改善による一時的反応 | 温めて休む、深呼吸、軽いストレッチ |
| 軽い筋肉痛のような痛み | 今まで使っていなかった筋膜ラインが動き始めた状態 | 数日で自然に消える |
| ピリピリ・ズキズキ・熱感 | 神経への過剰刺激や炎症反応の可能性 | 無理せず冷却・休息、強い場合は相談を |
| 施術直後から強く動けない痛み | 過剰な圧や深部損傷の可能性 | 専門家に確認を |
理想的な反応は、「軽いだるさ」や「心地よい疲労感」。
これが翌日〜2日ほどで自然に消えていけば、身体が回復モードに入っているサインです。通常の反応であり、ある意味でそれが過程でもあります。
3. 施術後に痛みを感じたときのセルフケア
もし施術後に軽い痛みや違和感が出た場合は、次の方法でケアをしてあげると回復がスムーズです。
① 温める
ホットタオルやしっかり入浴で腰・背中・お尻などを温めると、
筋膜の粘性が下がり、血流が促進されます。
温度によって筋膜は柔らかくなる性質があるため、
「硬さ」を感じたときほど温めが効果的です。
② 深呼吸をする
痛みを感じると、人は自然と呼吸を止めがちになります。
お腹に手を当てて、鼻からゆっくり吸い、口から吐く。
このシンプルな呼吸を数分行うだけで、
交感神経の緊張がゆるみ、身体が“回復モード”に切り替わります。
③ 軽く動かす
「痛いから安静に」と止まりすぎると、
筋膜は再び動きを失い、回復が遅れます。
寝返りを打つ、軽く歩くなど、無理のない範囲で小さく動くことで、
筋膜の滑走性が保たれ、循環が改善します。

4. 筋膜の施術で起きる「回復のプロセス」を理解する
そもそもの目的は、痛みを“取り除く”ことではなく、
身体が自ら回復できる環境を整えることです。
そのため、施術後に一時的な痛みやだるさを感じるのは、
身体が「再生・修復モード」に入った証拠と考えられます。
次の原則を守って施術を行います。
- 痛みのある部分を強く押さない(軽くでも状態によっては痛いことがあります)
- 身体の防御反応を刺激しない
- ゆっくり・やさしく・持続的にリリースする
このため、基本的に大きな炎症や損傷は起こりません。
ただし、長年の緊張が強い人ほど最初は反応が出やすい傾向があります。
それは、固まっていた部分がようやく動き出した証拠でもあります。
5. まとめ「一時的な痛み」は回復のサイン
| 状況 | 解釈 | 対応 |
| 翌日に軽いだるさ | 血流・代謝が回復している | 温めて休む |
| 新しい部位の筋肉痛 | 今まで使えていなかった筋膜が動き出した | 軽い運動を続ける |
| 強いズキズキ痛 | 炎症や過剰反応の可能性 | 安静・相談 |
施術で起きる一時的な痛みは、**「壊れた」サインではなく「回復の準備」**です。
身体が再生する際には、必ず変化が伴います。リモデンリグすると言います。
大切なのは、その変化を恐れずに“回復のプロセス”として受け止めることです。
拝志フィジカルセラピー ファシアラボより
施術後に痛みが出ると不安になるかもしれませんが、
それは多くの場合、筋膜が再び動き始めた合図です。
拝志フィジカルセラピー ファシアラボでは、
施術後の反応を一つひとつ確認しながら、
安心して回復できるリズムを整える施術を行っています。
そこにはコミニュケーションがしっかり存在し信頼関係がないと成り立ちません。
もし施術後の痛みが不安な場合も、どうぞ遠慮なくご相談ください。
身体が自ら回復していくプロセスを、私たちが丁寧にサポートいたします。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、
神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ。
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
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私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。





