ファシア(筋膜)とは何か 初心者にもわかりやすい筋膜の基礎知識

「腰痛や背中のコリ、原因が分からない」と言われたことはありませんか?

「病院でレントゲンを撮っても骨に異常はない」「薬を飲んでも一時的にしか良くならない」。そんな経験をされた方は少なくありません。
実は、こうした 原因不明の痛みの背景には“ファシア(筋膜)”が深く関わっている ことが分かってきました。

        左:模式図 右:エコーで写し出されるファシア(筋膜)

ファシア(筋膜)とは?

筋膜とは、ファシア(体を包む主に膜組織の総称)の一部で、筋肉を包んでいる薄い膜のことです。
例えるなら、体をまるごと包み込む「全身のボディスーツ」。この膜があるからこそ、私たちの体はバランスを保ち、スムーズに動くことができます。

ところが、このファシア(筋膜)が硬くなったり癒着(くっつくこと)すると、動きが制限され、血流や神経の働きも滞りやすくなります。その結果、「重だるさ」や「不快感」、そして慢性的な「痛み」 へとつながってしまうのです。

なぜ筋膜は長い間、重要視されなかったのか?

実は、ファシア(筋膜)は長い間「ただの膜」と考えられ、医療の中心的な研究対象ではありませんでした。
レントゲンやMRIで映るのは骨や関節が中心で、ファシアの状態は見えにくかったからです。
そのため、「原因不明の痛み」 とされてきた多くの不調が、筋膜の存在を見落とされてきた可能性があります。

近年になって研究が進み、ファシア(筋膜)には豊富な神経が存在し、痛みや感覚を伝える重要な役割を持っていることが明らかになりました。
つまり、「見えないから無視されていた組織」が、実は痛みの大きなカギを握っていたということなのです。

こちらは鶏肉のファシア(筋膜) 

なぜ筋膜に注目して施術しているのか?

私自身、かつてはひどい頭痛や背中の痛みに悩まされ、薬に頼ったりする状態でした。
「このままではいけない」と思い、体の仕組みを学び、施術の道へ。オーストラリアのカイロプラクティック大学に在学中、さまざまな治療を受けていく中で、痛みの本当の原因が筋膜にある ことに気づいたのです。

そこで出会ったのが「マイオセラピー」という筋膜に振動刺激を与える施術でした。自分の体でその効果を体感したことが、私の原点になっています。

以来、施術の中心に「筋膜ケア」を据え、今も日々、患者さんと向き合っています。

筋膜が硬くなる原因とは?

筋膜が不調を起こすのには、いくつかの生活習慣が関係しています。

  • 長時間のデスクワークや同じ姿勢
  • 運動不足
  • ストレスや自律神経の乱れ
  • 睡眠不足や水分不足

こうした要因が重なると、筋膜は「乾いたスポンジ」のように硬くなり、動きが悪くなります。
その結果、筋肉がスムーズに働けなくなり、腰痛や背中の凝りとして表れるのです。

筋膜ケアで期待できる変化

当院で行っている筋膜ケアは、「痛みのある部分だけをほぐす」のではなく、全身のつながりを見ながら根本改善を目指すアプローチ です。

筋膜ケアによって期待できること

  • 慢性的な腰痛や背中の凝りの軽減
  • 姿勢が整い、疲れにくい体になる
  • 動きがスムーズになり、日常生活やスポーツが快適に
  • 再発しにくい健康な体づくり

実際に「どこに行っても治らなかった痛みが楽になった」という声を多くいただいています。

症状を改善するためにできること

筋膜は日常のちょっとした工夫でケアすることができます。

  • 1時間に一度は姿勢を変える
  • 深呼吸やストレッチで体をリセットする
  • 水分をしっかり摂る
  • 軽い運動で体を動かす

これらを続けることで、筋膜の柔軟性を保ち、施術の効果も長持ちしやすくなります。

ただ、私の経験から言うとセルフケアでは改善が難しいことが多いです。なぜなら筋膜は強靭で且つ柔軟な物理的な構造物です。それが固定化している場合は再構築(リモンデリング)が必要です。(これについては次回以降のブログで)

ぜひ、専門家による筋膜のケアを取り入れてみてください。

治療院としての想い

私は昔から「困っている人を放っておけない性格」で、学生時代には投球フォームに悩む後輩に熱心にアドバイスをしていました。
その延長線上にあるのが、今の仕事だと思っています。

今も、「病院で異常がないと言われたのに痛みが続いている」「薬に頼りたくない」という方々に向き合い、一人ひとりに合った施術で根本改善をサポートすること を大切にしています。

ファシア(筋膜)は繊細で、人によって反応が異なります。だからこそ、ただ決まった手技を繰り返すのではなく、「その方にとって最適な刺激はどの程度か」を見極めながら施術すること を重視しています。

そして筋膜だけにこだわらず、必要に応じてカイロプラクティックや運動療法なども組み合わせ、体全体を視野に入れた総合的な施術を行っています。

まとめ:ファシアを知ることが健康への第一歩

  • ファシアは全身をつなぐ膜で、痛みやコリの大きな要因
  • レントゲンやMRIでは映らないため、原因不明とされてきた
  • 筋膜ケアは「根本改善」につながる有効なアプローチ
  • 生活習慣の工夫と施術の組み合わせで、再発しにくい体づくりが可能

神谷町で慢性腰痛・背中の凝りにお悩みの方へ

拝志フィジカルセラピー ファシアラボは、筋膜ケア専門院 として、あなたの健康な体づくりをサポートします。
「原因がわからないまま痛みに悩んでいる…」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、神谷町駅徒歩1分のファシアラボ

直接ご予約できます。

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。