ファシアを知るシリーズ —「なぜ身体は壊れずに動けるのか?」
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
私たちは毎日、歩いたり走ったり、階段を上ったり下りたりしています。実はその一つひとつの動作には、想像以上の衝撃が身体に加わっています。歩くだけでも体重の1.5倍、走ると3〜4倍、ジャンプすると6〜8倍もの力が足腰にかかると言われています。
もし身体が「骨と筋肉の寄せ集め」だけでできているなら、膝や腰はとっくに壊れてしまうはずです。それでも私たちが毎日動けている理由。それが、身体の内部に張り巡らされたファシア(筋膜)の働きです。
今回は、ファシアの5つの特徴をもとに「なぜ身体は壊れずに動けるのか?」をわかりやすく解説します。
【結論】
身体が壊れずに動けるのは、ファシアが“衝撃を吸収し、分散し、逃がす”構造を持っているからです。
筋肉や骨だけではなく、ファシアこそが衝撃から身体を守る中心的存在です。
ちなみにファシアとは…
筋肉・骨・内臓・神経・血管など、体のすべてを包み込み、つなぎ合わせている薄い膜のこと。丈夫なたんぱく質(コラーゲン)でできていて、全身をネットワークのように覆いながら、体を支えています。

身体には本来“壊れるレベル”の衝撃が加わっている
歩く、走る、ジャンプするたびに、私たちの身体には強い衝撃が加わります。もし骨格だけでこの衝撃を受けているなら、腰や膝の関節はすぐに限界を迎えてしまいます。
それを防いでいるのが、骨でも筋肉でもなく「ファシアの構造」です。ファシアは全身を1つの膜として包み込み、ネットワークのようにつながっています。このネットワークが衝撃を吸収し、広範囲に逃してくれているのです。
ここからは、ファシアの5つの特徴と衝撃吸収の関係を解説します。
2. 特徴 異方性で力を分散し、一点に集中させない
ファシアは「方向によって硬さが違う」素材で、これを異方性と言います。
衝撃が加わったとき、線維の向きによって力の逃し方を変え、
一点に負荷が集中しないように調整しています。
例えば、足を少しねじった状態で着地しても捻挫しないことがあります。
これはファシアが瞬時に力の流れを変え、特定の場所に衝撃が集まらないように守っているからです。
3. 特徴 温度で粘度が変わり、衝撃吸収力が上がる
ファシアは温かいとき柔らかく、冷えると硬くなる性質があります。
寒いとき
ゲル状で硬く、衝撃を分散できず痛みにつながる
温まったとき
ゾル状で柔らかくなり、衝撃を吸収しやすくなる
だからこそ、運動前のウォーミングアップや入浴は
「筋肉のため」だけではなく
ファシアの働きを高めるために非常に重要です


4. 特徴 非ニュートン流体として瞬間的に身体を守る
ファシアは、力のかかり方によって硬さが変わる“非ニュートン流体”の性質を持ちます。
ゆっくり動くとき
柔軟でよく伸びる
強い衝撃を受けたとき
瞬間的に硬くなり、内部の組織を守る
まるでエアバッグのように、急な衝撃から身体を守るための構造なのです。
ただし、ここで問題があります。
強い衝撃で固まったファシアは、その後も硬さが残りやすく、
これが慢性的な腰痛やコリの原因になることがあります。

「急いで混ぜると固い=衝撃吸収」
5. 特徴 脱水で固まると“衝撃を逃がせない身体”になる
ファシアは水分を含むことで滑らかに動きますが、
水分不足や長時間同じ姿勢が続くと、ヒアルロン酸がゲル状に固まり滑らなくなります。
・デスクワーク
・運動不足
・睡眠不足
・ストレス
・飲酒や甘いものの摂りすぎ
これらはすぐにファシアを固めてしまいます。
その結果、衝撃が逃げず腰や膝に刺さるような負担が集中するようになります。
6. 特徴 テンセグリティ構造で全身が連動し衝撃を逃がす
テンセグリティとは、張力で全体を支える構造のことです。
テントのように、一本のロープを引っ張ると全体が動く。
身体の内部も同じで、ファシアが全身を包み、張力バランスで支えています。
このおかげで、着地の衝撃は
足 → 膝 → もも → お尻 → 腰 → 背中
と全身で逃がされ、局所に集中しません。
腰が壊れずに動ける理由は、
「全身で衝撃を分散するファシアのネットワーク」にあります。

7. ファシアが固まると身体は“壊れやすい構造”に変わる
ファシアが固まると、特定の場所に負担が集中しやすくなります。
・異方性の低下
・温度による粘度変化が鈍る
・非ニュートン性が保てない
・水分保持が低下
・テンセグリティが崩れる
これが起こると、以下が起こりやすくなります。
・ぎっくり腰
・慢性腰痛
・坐骨神経痛
・膝痛
・足底の痛み
「衝撃が逃げなくなった身体」と言える状態です。
8. まとめ
ファシアの5つの特徴は、すべて衝撃吸収のために働いています。
【特徴】
【衝撃吸収との関係】
- 異方性→「一点に力を集めず、広く分散する」
- 温度による粘度変化→「温まると吸収性が高まりケガを防ぐ」
- 非ニュートン性→「強い衝撃に対して瞬時に硬くなり守る」
- 脱水・ゲル化→「水分が多いと衝撃を滑らかに逃がせる」
- テンセグリティ構造→「全身で衝撃を逃がし、局所を守る」
身体はもともと「壊れないようにできている」。
しかし、ファシアが固まるとこの設計が機能しなくなり、痛みが出ます。
ファシア(筋膜)の施術や適切なセルフケア、呼吸、温めなどでファシア本来の働きを取り戻せば、身体はもう一度“衝撃に強い構造”へ戻ることができます。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、
神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ。
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
-
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。
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