ファシアは臓器なのか?慢性痛と意識から考える“次世代医療”の可能性

こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
ファシアは臓器なのか。慢性痛の原因を考える新しい視点
近年、世界的にファシア、いわゆる筋膜への関心が急速に高まっています。
スウェーデン発のFascia Clinicsでは、ファシアを臓器として捉えるという新しい視点が語られています。
臓器とは、心臓や肝臓のように明確な形があるものをイメージする方が多いと思います。しかしファシアは、形として独立しているというよりも、全身を包み込み、つなぎ、情報を伝える存在です。
もしそれを一つの臓器と呼ぶならば、それは「つなぐ臓器」「感じる臓器」と言えるかもしれません。
ではなぜ、今この視点が注目されているのでしょうか。
その背景には、慢性痛という世界的な問題があります。
慢性腰痛や背中の凝りはなぜ治らないのか
慢性痛は世界的に大きな課題です。5人に1人が慢性的な痛みを抱えているとも言われています。
しかし、
・手術
・鎮痛薬
・関節置換
これらを行っても改善しないケースが少なくありません。
実際、1990年代にはFailed Back Surgery Syndromeという概念が広まりました。
手術で構造を整えても痛みが残るという現象です。
これは、構造を直せば痛みが消えるという単純な話ではないことを示しています。
画像検査で異常がないのに痛い。
手術をしても痛い。
薬をやめるとまた痛い。
その原因を探る鍵の一つが、ファシアなのです。
ファシアという全身ネットワークが慢性痛の原因になる理由
ファシアは単なる膜ではありません。
・全身を連続してつなぐネットワーク
・神経を多く含む組織
・張力や動きの情報を伝える構造
たとえば服の糸を一本引っ張ると全体がゆがみます。
身体も同じです。どこか一か所の硬さや滑りの悪さが、離れた場所に影響します。
慢性腰痛の原因が実は足首にあったり、背中の凝りの原因が腹部の硬さにあったりするのは、このネットワーク構造があるからです。
ファシアの問題は、単なる硬さではありません。
・滑りが悪くなる
・水分が減る
・粘りが強くなる
・組織が厚くなる
こうした質の変化が起きると、身体は防御モードに入りやすくなります。
それが慢性痛の土台になります。
慢性痛は意識と無関係ではない
慢性痛には次のような要素が絡みます。
・神経の過敏
・過去の痛みの記憶
・自律神経の乱れ
・無意識の防御パターン
身体は常に環境を感じ取り、反応しています。
そしてファシアは、その間に存在する組織です。
ファシアは神経とも筋肉とも深くつながっています。
だからこそ、単なる組織ではなく「情報を扱う組織」と考えることができます。
治療は処方ではなく対話であるという考え方は、ここから生まれます。
身体は情報を持ち、変化し、再構築していく力を持っています。
振動刺激とファシアの可能性
ファシアへのアプローチの一つとして、振動があります。
低周波の振動を入れると、
・密になっている部分で振動が止まりやすい
・滑りが悪い部分が浮かび上がる
・痛みの部位と一致する
という現象が見られます。
振動は、
・層の滑りを促す刺激
・神経への穏やかな入力
・防御トーンの再調整
として働く可能性があります。
当院で使用しているマイオセラピーも振動器具を用いた施術です。
肥厚したファシアに対し、触診で状態を確認しながら丁寧に刺激を入れていきます。
強く無理に行うのではなく、身体の反応を確認しながら行うことで、痛みを感じにくくしつつ組織変化を促します。
待つだけでは変わらない状態のファシアには、適切な刺激量が必要になることもあります。
重要なのは理論ではなく、その身体がどう反応しているかです。
まとめ。ファシアは次世代医療の鍵になるのか
ファシアは
慢性痛理解の鍵
身体全体性の鍵
意識と身体をつなぐ媒体
と言える存在です。
医療はこれまで、壊れた部分を修理するという発想が中心でした。
しかし慢性痛の時代においては、それだけでは足りません。
直すから対話するへ。
この視点が広がることで、慢性腰痛や背中の凝りの理解は大きく変わっていく可能性があります。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
-
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。
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