ファシアを知るシリーズ 「世界の研究が教える“つながりとしての身体”と慢性腰痛の原因」
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
今回のテーマは、ファシアを知るシリーズ「世界の“ファシア”に対する見方について」。
今、世界中でファシアが注目されている理由は何なのか。
そして、その流れがなぜ腰痛や背中の凝りといった慢性症状の「原因」を知るうえで重要なのか。
できるだけわかりやすくお伝えしていきます。
ここからは、世界の研究や歴史的な背景を交えながら、ファシアという存在がどのように再発見されてきたのかを見ていきましょう。
ちなみにファシア=筋膜ではありません。ファシアとはファシアは、筋肉・骨・内臓・神経・血管など、体のすべてを包み込み、つなぎ合わせている薄い膜のこと。(厳密には違う形もあります)丈夫なたんぱく質(コラーゲン)でできていて、全身をネットワークのように覆いながら、体を支えています。
はじめに 人類はずっと「身体がどうつながっているか」を知りたかった
私たち人間は昔から、身体の秘密を知ろうとしてきました。
骨の形を調べ、心臓の動きを観察し、筋肉を引き伸ばし、神経を確認し、身体を細かく分けて理解しようとしてきました。
その結果、多くの臓器の働きが明らかになり、医療は飛躍的に進歩しました。
しかし、それでもずっと解明しきれないものがあります。
その一つがファシアです。
かつては、筋肉や臓器を包むただの薄い膜だと考えられ、解剖の現場では邪魔だからと切り捨てられていました。
現代になり、ようやくその役割の重要性に光が当たり始めています。
世界の研究が示す「ファシアは全身をつなぐネットワーク」
現在わかっていることは、ファシアは始まりも終わりも明確ではなく、全身に広がるネットワークだということです。
筋肉も骨も臓器も神経も血管も、すべてファシアで包まれており、このネットワークが身体全体をひとつにつないでいます。
この考え方が広がるまでには、長い歴史がありました。

ルネサンス期からはじまった「分解して理解する文化」
約500年前、解剖が禁じられていた時代。
それでも「人間の身体の真実を知りたい」と願う人たちは、密かに遺体を解剖し、精密なスケッチを残しました。
レオナルド・ダ・ヴィンチもその一人です。
その頃から、身体を部品ごとに理解する方法が定着していきます。
肝臓は肝臓として、肺は肺として、筋肉は筋肉として研究されるようになりました。
確かに細かく見ることは大切です。
しかし、「全体としてどうつながっているか」までは見えづらくなります。
産業化がもたらした「部品交換型」の身体観
18世紀から20世紀にかけての産業化で、人々の考え方はさらに変わります。
壊れた部品は交換すれば良いという価値観が広がり、それは身体にも当てはめられるようになりました。
腰が痛ければ腰だけに注目し、肩が痛ければ肩だけを見る。
症状をパーツとして扱う考え方が強くなっていきます。
しかし、身体は本来ひとつにつながった存在です。
原因が別の場所にあっても不思議ではありません。
医学教育でもファシアは見逃されてきた
医学部1年目の解剖実習では、学生たちは身体を細かく分けて学びます。
このとき、ファシアは「捨ててよい部分」と説明されることがほとんどでした。
つまり、最初から「見なくていいもの」として扱われてきたのです。
ここに、ファシア研究が遅れた理由の一つがあります。
ジョギングブームとヨガ文化が「内側を見る意識」を育てた
1980年代、ジョギングが流行し、「身体の内側の変化」を感じる人が増えました。
その後は筋トレ文化が発達し、さらにマインドフルネスやヨガが広まり、身体への感覚が変わっていきます。
この流れの中で「ファシア」という概念も注目されるようになります。
ヨガの指導者がファシアに関心を持ちやすい理由は、身体のしなやかさ、弾力、安定性を日頃から扱うためです。
一度ファシアの存在に気づいてしまうと、無視することはできません。
ファシアは「身体全体をまとめる基盤」ヨガ・ピラティスとの共通点
ヨガやピラティスは、呼吸や姿勢、身体の感覚を整えていくメソッドです。
これらはすべて「全体性」を前提に成り立っています。
ファシアも同じで、身体全体をひとつにつなぐ基盤です。
私たちの施術も本質的には同じです。
身体が自分で変わるきっかけをつくり、流れが整えば、身体は自ら修復していきます。

一方で、筋トレ文化はまだ「筋肉中心」の考えに偏りがち
ジムで体を鍛えている人でも、ヨガクラスに参加すると身体が硬くて動かしづらいということがあります。
筋肉を大きくしても、身体が滑らかに動くかどうかは別問題です。
ファシアのしなやかさが失われてしまうと、見た目は強そうでも機能は弱くなります。
トップアスリートでも、単調なトレーニングだけではファシアの偏りが起こることが多く、ケガの原因になります。
そのため、ヨガやピラティスのような「全体を整える動き」は非常に重要です。

研究で明らかになったファシアの重要性
現代では映像技術の進歩により、生きたファシアの状態を観察できます。
そこから分かってきたことは次の通りです。・癒着して動かないファシアは、痛みやコリの原因になる
・ファシアには多くの神経が集まっており、感覚の質に影響する
・女性ホルモンと関係が深く、女性に症状が出やすい時期がある
・スポーツ障害や凍結肩なども、筋肉単体ではなくファシアの問題が背景にある
ファシアは単なる「膜」ではなく、全身の構造と機能を統合する存在だと考えられています。
ファシアの視点で見ると「つながりの原因」が理解しやすくなる
足首の古い捻挫が腰痛につながる。
骨盤のねじれが肩へ影響する。
お腹の緊張が首の痛みを生む。
このような一見無関係なつながりも、ファシアの視点から見ると自然なことです。
症状のある場所を治すだけでは、根本改善につながらない理由がここにあります。
人間の身体をひとつとして理解する時代へ
ファシア研究は、医療、リハビリ、スポーツ、介護、東洋医学など、多様な分野をつなぐ存在になりつつあります。
身体を部品の集合体ではなく、ひとつの「つながった場」として見る。
この考え方が、慢性腰痛や背中の凝りの原因を理解するうえで非常に重要です。
そして何より、私たち一人ひとりが自分の身体を大切にし、長く快適に使えるようにするためのヒントにもなります。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
-
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。
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