ファシアを知るシリーズ — 「 “関節の素材はファシア”という新しい視点」
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
今回は
「 “関節の素材はファシア”という新しい視点」
についてお話しします。
膝や股関節、肩、指などの関節が痛いとき、多くの方は「骨がすり減った」「軟骨がなくなった」と考えがちです。
しかし、ファシア(筋膜・結合組織)の視点から見ると、関節の本当の正体は少し違って見えてきます。
ここでは、関節の構造をファシアから捉え直し、なぜ痛みが出るのか、なぜ動きが悪くなるのかを分かりやすく解説していきます。
ちなみにファシアとは…
筋肉・骨・内臓・神経・血管など、体のすべてを包み込み、つなぎ合わせている薄い膜のこと。丈夫なたんぱく質(コラーゲン)でできていて、全身をネットワークのように覆いながら、体を支えています。

関節は「骨同士がぶつかる場所」ではない
まず押さえておきたいのは
関節で骨同士が直接ぶつかっているわけではない
ということです。
骨と骨の間には、次のような組織が存在します。
・関節を包む関節包
・骨と骨をつなぐ靭帯
・クッションとなる軟骨や半月板、関節円板
・関節内の滑りを保つ滑膜
これらはすべて「結合組織」、つまりファシアの一種です。
言い換えると、関節とは
骨や軟骨が直接こすれ合う場所ではなく
ファシアでつくられた“空間”の中で骨が動いている場所
ということになります。
骨はあくまで柱のような存在であり、
関節の形や動き方、安定性を決めている主役はファシアのネットワークなのです。

ファシアは関節の「素材」であり「固定装置」
関節を包んでいる関節包は、厚みのあるファシアでできています。
その内側に、靭帯や滑膜、軟骨、半月板などが連続して存在します。
これらのファシアは、関節で大きく三つの役割を担っています。
1 関節を固定して安定させる
ファシアがあるからこそ、骨の位置が保たれ、
・ぐらぐらしない
・脱臼しにくい
・同じ軌道で動ける
といった「安定した関節」が実現します。
筋肉がどれだけ強くても、
その外側を包むファシアが硬くなっていると、関節がある周囲に痛みを生じます。
2 動く方向をガイドする
関節はどの方向にも自由に動くわけではありません。
膝は曲げ伸ばしが得意、肩は大きく回せる、といった「得意な方向」があります。
この「動きの方向性」を決めているのもファシアです。
ファシアの一部である靭帯が、
動いて良い範囲・止めるべき範囲をさりげなく制御しているため
・必要な方向にはスムーズに動く
・危険な方向には行き過ぎない
という安全な関節運動が保たれています。
3 衝撃を吸収し、分散する
歩く、階段を降りる、走るなどの動作では、関節には常に衝撃がかかります。
その時にクッションの役目をしているのが
・軟骨
・半月板や関節円板
・関節包や靭帯を含むファシア全体の張力
です。
ファシアは衝撃を一点ではなく、周囲へ広く分散させる役目を持つため、本来は関節がすり減りにくい構造になっています。
関節痛の多くは「骨」ではなく「ファシア」の問題
関節が痛いとき
・軟骨がすり減っている
・骨の形が変形している
と説明されることがあります。
もちろん、加齢や長年の負担で実際に骨変形→軟骨の損傷が起こるケースもあります。
ファシアの視点から見ると
ファシアが硬くなり、滑らなくなった結果として
動きの制限が掛かり、動かさない。その結果、動かさないから組織が弱くなることや硬くなるという状態になっていきます。
レントゲンやMRIで「大きな異常はありません」と言われたのに痛い、という方は、
まさにこの「ファシアの状態の悪さ」が関係している可能性があります。
ファシア(筋膜)の施術で関節まわりのファシアを“なめらか”に戻す
当院で行っているマイオファッシャル・リリース(MFR)やマイオセラピー(振動器具)関節の可動性をチェックし、関節包や靭帯まわりのファシアの滑走性を取り戻すことを目的としています。
ゆっくりとした持続圧や、全身の連動を意識した手技によって、
・関節包の内側に余裕が生まれる
・動かしたときの引っかかりが減る
・関節内で衝撃が逃げるスペースができる
・関節だけでなく、つながる部位の動きも軽くなる
といった変化が起こります。
これは、関節ごとにバラバラに見ていた問題が、
ファシアという一枚のネットワークとして整い始めたサインと言えます。
これからの医療は…関節も「ファシアから整える」
「関節が不安定だから筋トレをしましょう」
というアプローチは一般的ですが、
ファシアの状態が悪いまま筋トレを増やすと、かえって動きが固まりやすくなることもあります。それに太ももの前だけを鍛えるなどをしては前後のバランスも悪くなりますし、それに局所のトレーニングにはそこだけを強化して硬くすることがあります。(たまには運動不足が解消して良くなるケースもあるかもしれませんが…。)
本来の順番は
- まずファシアの滑りを回復させる
- 関節まわりの動きが素直になる
- そのうえで必要な筋力をつけていく
という流れです。
ファシアが整うと、筋肉は無理に力を入れなくても働きやすくなります。
その結果、
・関節を「力で固めて守る」のではなく
・「なめらかに動かして守る」
という、本来の健康的な関節の使い方に戻っていきます。
姿勢が自然と整う、歩き方が軽くなる、関節の不安感が減る。
その裏側には、必ずファシアの滑走性の回復があります。
まとめ:関節を理解するには「ファシア」という視点が欠かせない
今回の内容を整理すると、次のようになります。
・関節は「骨同士がぶつかる場所」ではなく「ファシアがつくる空間」で動いている
・関節の素材はファシアであり、固定・方向性・衝撃吸収を担っている
・関節痛の多くは、骨や軟骨だけでなく、関節を包むファシアの硬さや滑りの悪さが関係している
・ファシア(筋膜)のケアは関節周囲の動きのなめらかさを取り戻す手助けになる
・安定した関節は「筋力だけ」でなく「ファシアの状態」によって支えられている
ファシア(筋膜)の質が大事であるとこれから注目されていくはずです。
質の良とは…?「柔軟であり、かつ強靭であること」
やはり適切に動かさないとこれは作り出せないのです。
関節の痛みや違和感が続いているのに、検査では「異常なし」と言われてお困りの方ほど、
ファシアという新しい視点から身体を見直すことで、改善の糸口が見つかることがあります。
慢性腰痛や背中の凝りをはじめ、膝や股関節、足首などの関節トラブルでお悩みの方は、
一度「関節の素材はファシア」という視点で身体を捉え直してみてください。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、
神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
-
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。
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