慢性腰痛はどこを触れば分かるのか 原因を知りたい方へ
触診という「情報」の意味
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
慢性腰痛でお悩みの方から、よくこんな質問をいただきます。
「先生、結局どこを触れば原因が分かるんですか?」
今日はこの問いに、正面からお答えします。
結論から言うと、ここを触れば分かるという一点は存在しません。
しかし、どのように触るかによって、身体は多くの情報を教えてくれます。
今回は、慢性腰痛の原因を知りたい方に向けて、触診という視点から分かりやすくお話しします。
慢性腰痛の原因は腰だけにあるとは限らない
慢性腰痛というと、多くの方が腰の筋肉の硬さや骨のゆがみを思い浮かべます。
整形外科ではMRIやレントゲンで確認します。
しかし実際には、
画像で異常がなくても痛い
ヘルニアがあっても痛くない人もいる
という事実があります。
これは、構造イコール痛みではないことを示しています。(もちろん例外もあります)
私は慢性腰痛の多くに、ファシアと呼ばれる結合組織の状態が関わっていると考えています。
ファシアは筋肉や骨を包み、全身をつないでいる組織です。
腰は結果として痛みが出ているだけで、本当の原因が別の場所にあることは珍しくありません。
ファシアは全身をつなぐネットワーク

ファシアは一枚の膜ではなく、全身を立体的につないでいるネットワークです。
この考えを広めたのが Thomas W. Myers です。
例えば、
足首の硬さ
股関節の動きの制限
胸の広がりの少なさ
これらが重なり、最終的に腰に負担が集まることがあります。
だからこそ、慢性腰痛の触診は腰を押す作業ではありません。張力の流れを読む作業なのです。
触診で大切にしていること
慢性腰痛では、
痛い場所はむしろ過敏になっている
表面は柔らかくても奥が動いていない
層の間の滑りが悪い
表面がゲル状態(滑らかではない)
という状態がよく見られます。
私が触診で見ているのは、
温度(他と違って熱持っていないか?)
水分の感じ(むくみ、ゲル状)
皮膚と深部の滑り
方向による抵抗の違い
です。
強く押せば分かるわけではありません。
むしろ弱い刺激でどれだけ情報を読み取れるかが重要です。
触診とは、身体からの情報を受け取る行為です。
長年の経験で痛みを出して問題になっている箇所は把握できます。
慢性腰痛で実際に確認する部位
慢性腰痛でよく確認する場所は次の通りです。
胸腰筋膜
脊柱起立筋群
腸腰筋の張り感
太もも裏のライン
足裏の張力
背骨(関節の弾力性)

特に胸腰筋膜は、腰の張力が集まる重要な部分です。
腰が痛くても、実際には股関節や足に大きな制限があることも多いのです。
触診とは、痛い場所を細かく確認し(原因組織の特定)と動きが止まっている場所を探す作業です。
触れること自体が回復のきっかけになる
触診は評価ですが、同時に治療でもあります。
ファシアは神経が豊富な組織です。優しい持続的な刺激は、
神経の過敏さを落ち着かせる
安心感を生む
動いても大丈夫という情報を脳に伝える
という働きを持ちます。
慢性腰痛では、筋膜そのものの質の変化はもちろん、神経の敏感さが関与していることが多いです。
触診とは、身体との対話の始まりです。
慢性腰痛はどこを触るかよりどう読むか
まとめます。
慢性腰痛は、
腰だけを触っても分からない
細かい触診で原因組織の特定が必須
全身のつながりを読む必要がある
神経の敏感さも考慮する必要がある
つまり、どこを触るかより、どう触れてどう解釈するかが本質です。
慢性腰痛は単純ではありません。しかし身体は本来、回復する力を持っています。
大切なのは、その力が発揮できない理由を一緒に見つけることです。
長年続く腰痛でお悩みの方は、まだ改善の余地が残っているかもしれません。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
-
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。
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