糖尿病と結合組織硬化の関係

「少し専門的ですが、知っておくと身体理解が深まる内容です。10分ほどで読めます。」
こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。

慢性的な腰痛や背中の凝りを抱える方の中に、糖尿病や血糖コントロールの問題をお持ちの方が少なくありません。その背景には、糖尿病と結合組織の硬化というテーマが深く関係している可能性があります。

今回は、研究で分かっていることと、臨床的に考えられることを分けながら、わかりやすく整理していきます。

糖尿病と結合組織硬化の関係とは

Image
Glycation(グリケーション)とは、食事などから摂取した過剰な糖が体内のタンパク質や脂質と結びつき、変性・劣化させる非酵素的な化学反応(メイラード反応)のこと

結合組織とは、筋肉、腱、靭帯、皮膚、そしてファシアなど、身体を支える組織の総称です。これらは主にコラーゲンという線維でできています。

糖尿病では血糖値が高い状態が慢性的に続きます。このとき体内で増えるのが、終末糖化産物(AGEs)と呼ばれる物質です。これは糖とタンパク質が結びついてできるものです。

研究では、この物質がコラーゲン同士を強く結びつけてしまうことが報告されています。本来はしなやかに動くはずの線維が、必要以上に固定されてしまうのです。

その結果として

組織の弾力が低下する
伸びにくくなる
回復が遅くなる

といった変化が起こりやすくなります。

研究で分かっている身体の変化

糖尿病の方に起こりやすい現象として、次のような報告があります。

肩が固まりやすい
手のこわばりが出やすい
腱が厚くなる
傷の治りが遅くなる

これらはすべて、結合組織の質が変化している可能性を示しています。

重要なのは、単に硬くなるのではなく、滑らかに動けなくなるという点です。組織同士の動きが悪くなることで、痛みや可動域の制限が生じやすくなります。

ファシアへの影響はあるのか

ここからは推測を含みます。

ファシアもコラーゲン主体の結合組織です。そのため、糖化による線維の固定化の影響を受ける可能性は十分に考えられます。

さらに糖尿病では

血流が低下しやすい
軽い炎症が持続しやすい
水分代謝が乱れやすい

という特徴があります。

ファシアは水分を多く含む組織ですので、循環や炎症環境の影響を受けやすいと考えられます。粘り気が増し、滑走が悪くなる可能性は理論的に十分考えられます。

ただし、ファシア単体での大規模研究はまだ十分ではありません。断定はできませんが、生理学的には整合性があります。

ファシア(筋膜)イメージ

なぜ腰痛や背中の凝りが改善しにくいのか

臨床で感じるのは、血糖コントロールが不安定な方ほど

改善に時間がかかる
施術効果が戻りやすい
神経が過敏になりやすい

という傾向です。

これは筋肉の問題というよりも、組織の質そのものが変化している可能性があります。

硬さだけを取る施術では限界があります。代謝環境が整わない限り、結合組織のリモデリングは安定しにくいのです。

糖尿病だから必ず痛くなるわけではない

ここで誤解してほしくないのは、糖尿病があるから必ず痛みが出るという話ではないということです。

血糖管理が良好であればリスクは下がります。逆に境界型や軽度の高血糖でも、長期的に影響が出る可能性はあります。

問題は一時的な数値ではなく、長期的な代謝環境です。

当院の考え方

拝志フィジカルセラピー ファシアラボでは、痛みを局所だけの問題として扱いません。

触診で組織の質を丁寧に評価しながら、必要に応じて代謝背景や生活習慣、回復環境も一緒に整理します。

痛みは排除すべき敵ではなく、身体が発している重要な情報です。

結合組織の変化を理解することは、慢性腰痛や背中の凝りを根本から見直すための大切な視点だと考えています。

まとめ

糖尿病と結合組織硬化の関係は、糖化によるコラーゲン線維の固定化というメカニズムを中心に研究で支持されています。

ファシアへの影響はまだ仮説段階の部分もありますが、代謝環境が組織の質に影響する可能性は高いと考えられます。

局所の痛みだけを見るのではなく、身体全体の環境を見直すことが改善への近道になります。

慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、神谷町駅徒歩1分のファシアラボ

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。