ファシアを知るシリーズ なぜ日本では世界のファシア研究者たちの話が届かなかったのか

こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。

今回は
なぜ日本では
世界のファシア研究者たちの話が届かなかったのか

というテーマでお話しします。
なぜ日本ではファシア(筋膜)があまり認知されていないのか?という視点です。

ヨーロッパやアメリカでは、
当たり前のように語られているファシアの考え方。
しかし日本では、

最近になって急に聞くようになった
流行りの言葉のように扱われている
本質が伝わらないまま広がっている

そんな印象を持つ方も多いと思います。

ではなぜ、
Robert Schleip
Carla Stecco
Jean-Claude Guimberteau
といったファシアの世界的研究者たちの話は、
日本に届きにくかったのでしょうか。

理由はひとつではありません。

日本の医療は「見える異常」を探す文化だった

日本の医療教育は長い間、

骨に異常があるか
椎間板が潰れているか
神経が圧迫されているか

といった
画像で確認できる異常を見つける医学を中心に発展してきました。

これは決して悪いことではありません。
命を守る医療として、とても重要な役割です。

ただし、ファシア研究が扱っているのは、

切れない
壊れない
でも状態が変わる

という、画像に映りにくい変化です。

この時点で、日本の主流医学とは
そもそも扱うフィールドが違っていたと言えます。

ファシアは「後から考えるもの」だった

日本では長く、

筋肉が主役
骨が土台
筋膜はその周りの膜

という理解が一般的でした。

一方、ヨーロッパでは解剖学の段階から、

ファシアは全身をつなぐ連続体
力を伝える組織
感覚を担う重要な組織

として扱われてきました。

つまり日本では、

筋肉や骨で説明できないときに
仕方なく筋膜を考える

というように、
順番の後ろに置かれていたのです。

この認識の差が、
研究の深さと広がりに大きく影響しました。

手で触れる評価が「学問」になりにくかった

世界のファシア研究では、

触診
組織の質感
滑りや水分状態

といった
身体に触れて分かる情報をとても大切にしています。

しかし日本では、

触って分かる
感じ取る
反応を見る

こうした評価は、

主観的
経験則
職人技

として扱われやすく、
学問の中心に置かれにくい背景がありました。

その結果、
ファシア研究と臨床の橋渡しが
なかなか起こらなかったのです。

痛みは「消すもの」という価値観が強かった

日本では今でも、

痛みは悪いもの
我慢するか
早く消すべきもの

という価値観が根強くあります。

しかしファシア研究の前提は、痛みは情報
身体の状態を知らせるサイン

という考え方です。

この価値観の違いはとても大きく、
痛みをどう捉えるかという入口の時点で
話が噛み合いにくかったのです。

日本は「型」を重視する文化だった

日本の医療や施術文化は、

正解の型
標準手順
再現性

をとても大切にします。

一方、ファシアは、

人によって違う
日によって違う
触ってみないと分からない

という、揺らぎを前提にした世界です。

この非定型性は、
制度や教育に落とし込みにくく、
結果として広まりにくくなりました。

それでも今、届き始めている理由

ここが一番大切なところです。

今、日本でファシアが注目され始めているのは、

画像で異常がない痛みが増えた
慢性腰痛が減らない
運動しても良くならない人が増えた

という、現場の現実が変わってきたからです。

これまでの枠組みでは説明できない症状が増え、
ようやく、

組織の質
張力の偏り
滑りや水分状態

といった視点が、
必要不可欠になってきました。

拝志フィジカルセラピー ファシアラボの立ち位置

私たちが大切にしているのは、

世界では当たり前
でも日本では言語化されてこなかった

その間を丁寧につなぐことです。

理論を振りかざすのでもなく、
流行を追うのでもなく、

今この身体で
何が起きているのか

を基準に考える。

これは、
世界のファシア研究者たちが
共通して大切にしている姿勢そのものです。

まとめ

日本で世界のファシア研究が届きにくかったのは、

医療教育の構造
評価文化の違い
痛みに対する価値観
非定型なものを扱いにくい制度

こうした複合的な理由が重なった結果です。

ただしそれは、
日本が遅れているという意味ではありません。

今、ようやく必要なタイミングが来た
というだけです。

原因不明と言われた痛み
波のある不調
説明されなかった違和感

それらに向き合ってきた人ほど、
自然とファシアの世界に辿り着いています。

慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、
神谷町駅徒歩1分のファシアラボ

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。