痛みが出たとき、冷やすべきか温めるべきか?

痛みが出たとき、冷やすべきか?温めるべきか?

〜ファシア(筋膜)ケアの専門家が解説〜

こんにちは。
神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。

腰や背中の痛みが出たとき、多くの方が迷うのが――
**「冷やすべき?温めるべき?」**という判断です。

結論からお伝えすると、
基本的には 「温める」ほうが適しています。

ぎっくり腰のような急な痛みでも、私は「冷やす」ことはあまり勧めていません。
実際、冷やすよりも軽く動けるようになるケースの方が多いからです。

ただし、痛みの種類やタイミングによっては、
一時的に「冷やす」ことが効果的な場合もあります。

1.原則は「温める」――その理由と効果

筋膜(ファシア)や結合組織は、温度によって状態が変化する性質を持っています。
少し専門的な言葉で言えば「非ニュートン性」と呼ばれますが、
簡単に言うと、温まるとしなやかに、冷えると硬くなるということです。

身体を温めることで、次のような良い循環が生まれます。

  • 血液やリンパの流れが促進され、老廃物の排出がスムーズになる
  • 筋膜の粘度が下がり、動きがなめらかになって可動域が広がる
  • 副交感神経が働きやすくなり、リラックスと回復が進む

つまり、温めることは 「身体の回復スイッチを入れる」 ようなものなのです。

慢性的なコリや冷えを感じている方ほど、温めることで
体の内側からほぐれていく感覚を実感しやすくなります。

🔹おすすめの温め方

  • 湯船にゆっくり浸かる(シャワーだけで済ませない)
  • 蒸しタオルで痛む部位を温める

大切なのは、「無理せず、心地よい温度でぽかぽかを保つ」こと。

カイロなどで患部を強く熱する必要はありません。
特に冬場のように外気温が低いときは、
厚手の衣服の上からほんのり温かさを感じる程度で十分です。

これだけでも筋膜はゆるみ、体の緊張がやわらぎます。
ただし、低温やけどには注意してくださいね。

2.「冷やした方が良い」ケースとは?

すべての痛みに「温める」が正解というわけではありません。
明らかな炎症反応がある場合は、一時的に「冷やす」方が効果的です。

たとえば次のようなケースです:

  • 打撲や外傷で腫れや熱感、ズキズキする痛みがある
  • 痛みが強く、冷やすと「気持ちいい」と感じる
  • 動かすと悪化するような急性の炎症がある

このような場合は、冷タオルやアイスパックを10〜15分程度当てて炎症を抑えましょう。
ただし、冷やしすぎはNGです。

冷却しすぎると血流が滞り、回復が遅れてしまいます。
また、腰痛などで動ける状態であれば、冷やすより軽く動いた方が早く回復することもあります。

👉目安としては「冷やして気持ちが良いかどうか」。
冷やして痛みが強まるようなら、すぐにやめましょう。

アイスノンよりも氷の方がベスト(凍傷予防)

3.ファシア(筋膜)の視点から見ると

筋膜(ファシア)は、温度・圧力・水分に非常に敏感な組織です。

冷えると**ゲル化(硬くなる)し、温めるとゾル化(流動的になる)**という性質があります。

つまり、冷やすことで一時的に炎症は落ち着いても、
慢性的な筋膜のこわばりを解きたい場合は、温めて流れを取り戻すことが重要です。

マイオファッシャル・リリース(Myofascial Release; MFR)では、
この「流れ」を整えることを目的としています。
やさしい持続圧で筋膜をゆるめることで、
血流・神経・リンパの循環が回復し、身体が自らバランスを取り戻していきます。

施術後に温めるセルフケアを続けることで、
MFRの効果を長く維持しやすくなります。

4.まとめ:「冷やす?温める?」迷ったらこの基準でOK!

状況対応の目安ポイント
慢性痛・コリ・冷え温める血流促進・回復サポート。温め過ぎず“心地よく”が基本。
急な打撲・炎症・腫れ一時的に冷やす10~15分を目安に短時間・局所的に。長時間冷やさない。
判断に迷うとき気持ち良い方を選ぶ「冷やすと楽」なら短時間。「温めるとほぐれる」なら保温。

🌿さいごに

痛みが出たとき、「冷やすか温めるか」で迷うのは自然なことです。
ただし、長引く腰痛や背中の凝りは、筋膜のこわばりが根本原因になっていることが多く、
その場合は温めることで体の回復力がぐっと上がります。

もし痛みが続いたり、判断に迷う場合は、
ぜひ一度【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】へご相談ください。

あなたの身体の状態を丁寧に見極め、
最適なファシア(筋膜)ケアの方法をご提案いたします。

慢性腰痛・背中の凝りを根本から改善したい方は――
神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ。
身体が“自然に回復できる状態”を、一緒に取り戻していきましょう。

直接ご予約できます。

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。