来院される前に、知っておいてほしいこと。

少し長めの内容になりますが、読んで頂けると幸いです。

当院の施術の考え方と、正直なお伝え

当院の施術は、見た目は地味です。
華やかな手技でも、特別な機器を見せるわけでもない。ただ、触れて、状態を読み取り、必要な変化を届ける——その繰り返しです。
来院前に、この施術が何を目指しているのかを知っていただきたく
ブログでも書かせていただきました。

「マッサージと何が違うのか」について

来られた方から、「簡単に言うとマッサージの延長なのでしょうか?」と言われることがあります。確かに、表面だけを見ればそう感じるかもしれません。
ただ、目的と判断のプロセスが根本的に違います。

マッサージは、筋肉の緊張をほぐし、血流を促し、心地よい状態を作ることを目的としています。それ自体は大切なことです。

当院が行っているのは、「実際に痛みを出している組織はどこか」を触診で見極め、その組織の状態を変えるために必要な刺激を、必要な量と方向で届けることです。

施術の内容がいくら良くても、
刺激量と、どこにどういう施術が必要かという内容がズレていれば、
まったく意味がない。
そのズレが、患者さんの遠回りを生みます。

似て見えるのは、どちらも「触れる」という行為だからです。
ただ、料理人が食材に包丁を入れる行為と、素人が食材を切る行為が、見た目は似ていても全く違うように——判断の精度と、届けている内容は別物です。

「なぜ回数がかかるのか」について

慢性的な腰痛や背中のこりを抱えている方に、正直にお伝えしたいことがあります。当院の施術は、1〜2回で劇的に変わるものではないケースがほとんどです。

その理由は、組織の変化の性質にあります。

筋膜の「組織変化」は、時間をかけて起きている

慢性的な症状がある方の筋膜(ファシア)は、長期間にわたって固定化・線維化・ゲル化といった「組織の質の変化」が積み重なっています。
これは肝臓の線維化と同じような話で、炎症が続き、組織の再編成が起きてしまった状態です。

こういった変化は、一晩休んでも、1回の施術でも、すぐには戻りません。段階的に変化を重ねていく必要があります。

施術の途中でやめてしまうことが、最も残念なこと

痛みが少し楽になった段階でやめてしまう方がいます。その気持ちは分かります。ただ、局所の組織変化が残ったままの状態でやめてしまうと、また同じところから同じ症状が出やすくなります。

改善のプロセスはこういう流れです。

多くの方が①のフェーズの途中でやめてしまっています。そこが最も変化が地味で、
「本当に良くなっているのか」と不安になりやすい段階でもあります。
だからこそ、このページで事前にお伝えしておきたいと思っています。

「回復に時間がかかる背景」について

同じ症状に見えても、回復にかかる時間は人によって大きく異なります。初回の段階でおおよその見通しはお伝えしますが、実際にやっていく中でしか分からないこともあります。

回復が遅くなりやすい背景として、正直にお伝えしておきたいことがあります。

知っておいてほしいこと

最初の施術は「準備段階」です

はじめての方に対して、私は最初から全力の刺激量を入れることをしません。スポーツでも何でも、身体が慣れていない状態からいきなり追い込まないのと同じです。どんな反応をするか分からない段階では、まず身体との関係を作ることが最初のステップです。

だから、1回目の施術で「あまり変わらなかった」と感じる方もいます。それは当然のことで、まだ準備段階だからです。治療の何割も進んでいない、準備体操の段階でやめてしまうのは、本当に残念なことだと思っています。

長くかかって悪くなったものは、長くかけて良くなります

急に症状が出た方は、比較的早く改善することがあります。ただ、長い年月をかけて悪くなってきた身体は、急には良くなりません。これは自然の摂理だと思っています。

私自身がそうでした。小学3年生からソフトボールを始め、小学4年生からキャッチャーを16年間続けました。亀のように首を出して座り続ける姿勢を、16年間繰り返した。その後デスクワークが追い打ちをかけて、背中の症状が爆発しました。治すのに4年かかっています。しかも相当な刺激量の施術を受け続けて、それでも4年です。

なるまでに時間がかかった身体は、治すのにも時間がかかる。それは当然のことだと思っています。ファシアは強靭な組織です。簡単には変わらないからこそ、身体を支えられる。ただその強靭さが、長年の負荷によって歪んだ状態になっているわけだから、戻すにも時間がかかります。さらに神経過敏まで起きていれば、なおさらです。これは責めているのではなく、現実としてお伝えしたいことです。

何回かかるかを正確にお伝えすることは難しいです。画像で客観的に測れるものではなく、触診による判断になるからです。ただ、線維化している状態と症状のある部位はほぼ一致するので、「どこが問題か」「変化が起きているかどうか」は、ほとんどのケースで実感していただけます。変化のプロセスは、一緒に確認しながら進めていきます。

生活習慣が回復に影響することがあります

長年にわたるアルコールや過食、運動不足などの影響は、全身の筋膜の状態に関わることがあります。組織が硬くなりやすく、戻りやすくなる傾向があります。睡眠の質、水分摂取、運動習慣も同様です。施術と日常の取り組みが両輪で進むものだと考えています。

これは「生活を変えなければ施術しない」という意味ではありません。ただ、「なぜ変化が遅いのか」を一緒に考えるためにも、日常の状態を教えていただけると助かります。

強制は、一切しません

当院では、患者さんの判断と同意なしに施術を進めることは一切ありません。

「次はここを触ります」「今日はここまでにします」——すべて確認しながら進めます。
施術の方向性や回数についても、こちらから押しつけることはしません。
来るかどうか、続けるかどうか、それはすべて患者さん自身が決めることです。

ただ一つだけお伝えしたいのは、「理解がある状態で判断してほしい」ということです。強制ではなく、正直に話した上で、ご自身で選んでいただきたいと思っています。

ファシアの質を保つことの大切さ——プロ選手の話

以前、あるスポーツ選手と話す機会がありました。
現役時代に毎日マッサージを受けていたと教えてくれました。

「毎日」と聞いて、驚くよりも「やっぱりそうか」と思いました。

プロスポーツ選手は、走る・投げる・スライディングする——強烈な力学的負荷を毎日身体にかけ続けています。ストレッチや柔軟体操はほぼ全員やっています。
それでも毎日マッサージを受けていた。なぜか。

疲労回復だけではないと思っています。本人は意識していないかもしれませんが
筋膜(ファシア)の滑走性を保ち、硬くなりかけている部分を事前に見つけてケアする。
それが怪我を防ぎ、高いパフォーマンスを維持することにつながっていた。ストレッチだけでは届かない部分を、毎日のケアで補っていたということだと思います。

これは一般の方にも同じことが言えます。一度ファシアの状態が悪くなると、戻すのに時間がかかります。だからこそ、悪くなる前のケアが大切です。プロ選手が毎日ケアを続けていたのは、「一回崩れたら大変」ということを身体で知っていたからではないかと思っています。

当院が合う方・合わない方について

当院は、局所に固定化した発痛部位があり、それを丁寧に見極めて整えていくことを得意としています。「ここ」という場所に問題が凝縮しているタイプの慢性腰痛・背中のこりに、深く届けられる施術があると考えています。

一方で、全身の過敏性が非常に強い方、刺激の許容量が極端に低い方、線維筋痛症のような広範な過敏状態が前景にある方には、私よりも適した対応ができる専門家がいます。

万人に合う施術はありません。来院前に不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。

なぜ90分・17,000円なのか

当院の施術は90分、17,000円です。他の施術院と比べると、高額に感じる方もいると思います。その理由を正直にお伝えします。

「緩むまで待つ」時間が、施術の大半を占める

当院の施術で最も大切にしていることは、組織が緩んだかどうかを確認することです。
振動刺激を患部に当て、コラーゲン同士の結合が崩れ、組織が緩むまで待つ。緩んだことを手で確認してから、次の部位へ移る。この繰り返しです。

緩む時間は、その人の組織の状態によって全く異なります。
軽い状態であればすぐに変化が出る。
長年かけて固まった組織は、時間をかけてゆっくり変化します。だから90分必要なのです。

振動器具を保持し続ける、見えない負荷

受けている側には分かりにくいことですが、施術者側には相応の身体的負荷があります。工事現場のドリルを操作する人が大変なように、振動器具を患部に当て、動かさずに保持し続けながら細かい調整を行う作業は、見た目以上にハードです。

受ける側が「楽な施術」であることは、当然のことです。
ただ、提供する側の負荷と時間が、料金に反映されているということを
知っていただけると理解しやすいかと思います。

「治ります」と言わない理由

以前、こういう経験をされた方が来院されました。

4年間、症状を治そうとして、病院・整骨院・整体・鍼・カイロプラクティックと、様々な場所を巡ってきた方です。その方がおっしゃっていたことが、今も印象に残っています。

「治ります」と言った施術家ほど、治らなかった。
逆に、簡単には治ると言わなかった施術家の方が、
実際には良かった——
多くの場所を経験して、そう感じています。

これは、私が「治りません」とお伝えするということではありません。
改善の可能性があるからこそ、来院していただきたいと思っています。

ただ、「必ず治ります」「すぐに良くなります」という言葉は、私には言えません。
改善には、組織の状態・生活習慣・本人の理解と実践・時間、すべてが関わります。
それを無視して結果だけを約束することは、誠実ではないと考えています。

正直に話す施術家の方が、長い目で見て信頼できる。
その方の4年間の経験が、そう教えてくれました。当院もそうありたいと思っています。

途中でやめてしまうことについて

このページを読んで、「合わないかもしれない」「難しそう」と感じてやめる判断をすることは、もちろん本人の自由です。それを引き留めたいわけでも、続けることを強制したいわけでもありません。

ただ、一つだけ正直にお伝えしたいことがあります。

施術を始めて数回で「変わらない」「合わない」と感じてやめてしまう方がいます。その多くは、まだ準備段階の時期です。組織の変化はまだ始まっていない、あるいはようやく始まった段階でやめてしまっている。この先良くなっていたかもしれないのに、という気持ちが残ることがあります。

それは私の説明不足でもあります。このページを作ったのも、来院前に知っておいてほしいことを伝えられていなかった、という反省からです。

強制でも継続の義務でもない。ただ、理解がある状態で判断してほしい。それだけです。

このページを読んで、遠ざかる人もいるかもしれない

時間がかかるかもしれない。回数が必要かもしれない。料金も安くない。正直にそう書くと、来院をためらう方もいると思います。

それでも、こういうページを作ることにしました。

「治ります」と言えば来てくれる人は増えるかもしれない。
でも、伝えていない状態で来てもらっても、途中で気持ちがすれ違ってしまう。

それよりも、このページを読んで「それでも来てみよう」と思ってくれた人と、
一緒に身体を見ていきたいと思っています。

「来院前に読んでよかった」と思っていただけるページを目指しました。
疑問や不安があれば、予約時にお気軽にお聞きください。

慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ。

「真剣に悩んでいる方に、真剣に向き合える場所でありたい。」

初回は90分。丁寧に話を聞き、触診で状態を確認してから施術に入ります。

「これは治るんでしょうか」という問いも、一緒に考えます。

✔ ゲスト予約OK  |  ✔ 入力は名前・メール・電話番号のみ

初回のご予約はこちら

通常17,000円 → 初回のみ12,000円


〒105-0001 東京都港区虎ノ門 神谷町駅 徒歩1分
完全予約制 / 施術料金 17,000円(税込)

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。