あなたの体を硬くしているのは、食べ物かもしれない

——ファシア(結合組織)と食習慣の、意外な関係

「私、太っていないし、運動もしているのに、なぜこんなに体が硬いんだろう」

そう思ったことはありませんか。

体型に問題がなくても、体が慢性的に硬い方がいます。逆に、見た目は細くても組織の状態が良くない方もいる。施術をしていると、そういう方に定期的に出会います。

体の「硬さ」は、見た目の体型とは別のところで決まることがある——今回はそのお話です。

体を硬くする「糖化」とは何か

結論から言います。最近、耳にすることが多くなりましたが

体を内側から硬くする大きな原因のひとつが、「糖化(とうか)」です。

糖化とは、血液中の余分な糖がコラーゲン(体を支えるタンパク質)と結びついて変質させる反応のことです。糖化が進むと、コラーゲン繊維同士が化学的に絡まり合い(架橋)、組織が少しずつ硬くなっていきます。

この変化は、筋肉のこわばりとは根本的に異なります。マッサージで筋肉をほぐしても、コラーゲンの変質には直接アプローチできない——だから「揉んでも揉んでも戻る」という感覚が起きやすいのです。
しかも、すぐにそのような現象が起きるわけではありません。無自覚に徐々に積み重ねっているという現実があります。

「痩せているか大丈夫」は本当か

糖化はお腹まわりの脂肪が増えている方だけの問題ではありません。

体型が細くても、甘いものをよく食べる方、食事量が多い方は、同様に糖化が進みやすい状態にあります。脂肪組織が膨らまないだけで、コラーゲンへのダメージは着実に蓄積しています。

施術をしていると、「見た目は普通体型なのに、組織が重たい感じがする」という方が一定数います。話を聞くと、甘いものが習慣になっていたり、食事量が多かったりすることが多い。痩せているからといって、体の内側が若々しいとは限らないのです。

アルコールと体の硬さ

あまり知られていませんが、アルコールも、ファシアの状態に影響を与えます。

その主なルートは「脱水」です。アルコールには強い利尿作用があり、飲酒後は体の水分が失われやすくなります。

ファシアの層と層の間にはヒアルロン酸という潤滑剤のような物質があり、これが水分を保持することで組織の滑走性が保たれています。慢性的な脱水状態が続くと、この潤滑剤が粘り気を増し、層が固まったような状態になっていきます。

日常的にお酒を飲む習慣がある方で、体が慢性的に硬い方が多い印象があるのは、こういった理由が背景にあると考えています。
また、脚が良く夜に攣ってしまう方の多くが、この脱水が原因のことが多いです。

「お酒を飲むと筋肉が落ちる」

これもさらに知られていませんが、硬くなるだけでなく
長期的な飲酒による「筋萎縮」も研究によってわかってきています。

——これは感覚ではなく、研究で確認されていることです。

慢性的にアルコールを摂取し続けると、筋肉には3つのレベルでダメージが進行します。

まず、筋肉が作られにくくなります。アルコールは筋タンパク質の合成を妨げ、運動や栄養といった「筋肉を育てる刺激」への反応も鈍らせます。

次に、筋肉が分解されやすくなります。アルコールは体内に活性酸素や炎症性物質を増やし、筋繊維そのものにダメージを与え続けます。

そして、筋肉がエネルギーをうまく使えなくなります。ミトコンドリアの機能が低下し、筋肉の「動く力」そのものが失われていきます。

慢性的な大量飲酒者の約半数が、こうした「アルコール性筋症」を発症するというデータもあります。

筋肉は、痛みを支える土台です。 慢性的な腰痛や身体のだるさが続いている方は、飲酒習慣も一度、見直してみる価値があるかもしれません。

精製された砂糖と自然の甘さの違い

「甘いものを完全にやめなければいけないのか」と思った方、そうではありません。

糖化において問題になるのは、血糖値が急激に上がることです。清涼飲料水・菓子類・白砂糖を使ったものは、血液中に糖が一気に流れ込み、コラーゲンを糖化させるリスクが高い。

一方、蜂蜜・果物・デーツ(なつめやし)などの自然由来の甘さは、食物繊維やミネラルとともに摂取されるため、血糖値の上昇が緩やかになります。

「甘いものを楽しむ」こと自体が問題なのではなく、何から甘さを取るか・どんなペースで取るかが、体の状態を左右します。

友人と食事を楽しむとき、デザートを一緒に食べる。そういう時間は大切です。毎日の習慣として精製糖を取り続けることと、たまに楽しむこととは、体への影響がまったく違います。

食習慣と痛みがつながっていると気づく人は少ない

慢性的な腰痛・股関節痛・背中の重さを長年抱えている方の多くは、その痛みと食習慣が関係しているとは思っていません。

骨折なら「転んだから」と原因が見える。でもファシアの糖化・硬化は、10年・20年をかけてじわじわと進む。

痛みと食べ物のあいだに時間的な距離があるから、自分では気づきにくいのです。

「私、太っていないし」「そんなに甘いものも食べていない」——そう思っている方でも、習慣の積み重ねが体の硬さに影響している可能性があります。

まとめ

  • 体を内側から硬くする原因のひとつが「糖化」——コラーゲンが変質する反応
  • 太っていなくても、食習慣によって糖化は進む
  • アルコールは脱水を通じてファシアの潤滑剤を失わせる(筋萎縮もにも関与)
  • 問題は「甘いものを食べること」ではなく「何から・どんなペースで取るか」
  • 食習慣と慢性痛のあいだには時間的な距離があるから、自分では気づきにくい

食習慣を少し意識することと、ファシアへの適切なアプローチを組み合わせることで、体の状態は変えていけます。「もう年だから」「ずっとこうだから」と諦める前に、一度ご相談ください。

「絶対に食べてはいけない、飲んではいけない、ということでは決してありません。

関係性を知らないでいるより、知ったうえで調整できる——そこには、大きな違いがあると思っています。」

拝志フィジカルセラピー ファシアラボ(東京・神谷町) 院長:拝志

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投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。