睡眠の質が悪いと腰痛も悪化するのか?
〜ファシア(筋膜)から見た“眠りと痛み”の関係〜
こんにちは。
神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。
「しっかり寝たはずなのに、朝起きると腰が痛い」
「寝不足の翌日は、なぜか腰の張りが強い」
そんな経験はありませんか?
実は、睡眠の質が悪いと腰痛が悪化しやすいということが分かっています。
そしてこの関係には、近年注目されている「筋膜(ファシア)」の働きが深く関わっています。
■ 結論:睡眠の質が悪いと、腰痛は悪化しやすくなります
私たちの身体は、日中に受けたストレスや疲労を「睡眠中」にリセットしています。
しかし、眠りが浅かったり、寝つきが悪い状態が続くと、この回復のサイクルが乱れ、筋膜が十分に修復されません。
結果として、
- 朝のこわばりや痛みが強くなる
- 体の動きが硬くなる
- 疲労が抜けず、痛みが慢性化する
といった悪循環に陥ってしまうのです。
ここからは、その理由を3つに分けて解説します。

① 睡眠中こそ「ファシアが回復する時間」
筋膜(ファシア)は、筋肉や骨、内臓を包みながら全身をつないでいる“身体のネットワーク”です。
日中の姿勢や動きの癖、デスクワークなどの負担によって、このファシアは少しずつねじれたり、乾いたりしていきます。
その乱れを修復しているのが「睡眠中」です。
眠っている間は副交感神経が優位になり、血流やリンパの流れが整い、ファシアの中を流れる水分が循環します。
このとき、筋膜の柔軟性や滑らかさが回復するのです。
しかし、睡眠の質が低下するとこの修復プロセスがうまく働かず、
- ファシアが脱水して硬くなる
- 体の滑り(滑走性)が悪くなる
- 起きたときに「腰が重い」「動き出しが痛い」
といった状態になります。
つまり、質の良い眠りはファシアの再生時間。
眠りが浅い=修復できない状態が続くと、慢性的な腰痛へとつながります。
② 睡眠不足は「筋膜の張力」を高める
眠りが浅い日が続くと、交感神経が過剰に働き、身体が常に“戦闘モード”になります。
このとき、筋肉や筋膜が緊張してしまい、無意識に身体全体がこわばるのです。
特に影響を受けやすいのが「呼吸」と「体幹」。
呼吸が浅くなると、横隔膜(おうかくまく)という体幹の中心にあるファシアが硬くなります。
横隔膜は腰の筋膜(胸腰筋膜)とつながっているため、ここが緊張すると腰全体に張力が伝わります。
結果として、
- 腰回りの筋膜が引っ張られやすくなる
- 腰の深い部分の“ファシア・テンション”が上昇
- 寝ても身体が休まらない
という状態に。
眠れない夜が続くと「リリース(解放)」が起こらない身体になってしまう、ということです。
③ 深い眠りが「痛みの感受性」をリセットする
睡眠は、脳にとっても“痛みをリセットする時間”です。
深いノンレム睡眠の間、脳内では「セロトニン」や「エンドルフィン」といった、痛みをやわらげる物質が分泌されます。
このとき脳は、日中に感じた痛みの記憶を整理し、「もう大丈夫」と判断してくれます。
ところが、睡眠の質が悪いとこの働きがうまくいかず、
同じ刺激でも「痛みとして感じやすい」状態になります。
つまり、睡眠不足は“脳の過敏状態”をつくり出し、ファシアの緊張と重なって痛みを増幅させるのです。
臨床現場でよくあること
実際に当院での施術を受けていただくと、
「夜ぐっすり眠れるようになった」
「夜中に目が覚めなくなった」
という声をいただきます。
これは、ファシアが整うことで次のような連鎖が起こるからです。
- 自律神経が落ち着く
- 呼吸が深くなる
- 身体の“内部ノイズ”(緊張信号)が減る
つまり、身体の中が静まり返るように落ち着き、自然と深い眠りに導かれるのです。
眠りが整えば、ファシアの修復が進み、結果的に腰痛も軽くなる――この“良い循環”が生まれます。
セルフケアのポイント
もし「寝ても疲れが取れない」「朝がつらい」と感じる方は、次のような簡単なセルフケアを取り入れてみてください。
1. 寝る前の深呼吸と軽いストレッチ
胸の前を開いて深呼吸することで、横隔膜のファシアがゆるみます。
たった1〜2分でも効果的です。息を吐くときは「ふ〜」と長く、リラックスを意識しましょう。
2. 寝具・枕の見直し
柔らかすぎるマットレスや高すぎる枕は、ファシアを圧迫して血流を妨げます。
寝返りが打ちやすく、身体のラインに合った寝具を選ぶのがポイントです。
3. スマホを寝る直前まで見ない
私も気をつけないといけないんですが、寝る前にスマホを見てしまうことです。
ブルーライトや情報刺激は交感神経を高め、ファシアの緊張を強めます。
寝る30分前にはスマホを置き、照明を落として「眠る準備」を整えましょう。

まとめ
| 睡眠の質が悪いと… | 結果として起こる変化 |
| ファシアの修復が滞る | 朝のこわばり・腰痛悪化 |
| 交感神経が優位になる | 筋膜の緊張が抜けない |
| 痛みの感受性が高まる | 小さな刺激でも痛む |
| 回復のリズムが乱れる | 慢性化しやすい |
まとめの一言
食べたり運動したり、健康に関することの中でも
「寝ることが一番大事かもしれません!」
睡眠の質が整えば、ファシアが自然にゆるみ、身体は内側から回復していきます。

施術だけでなく、眠りの質を整えることが、腰痛を根本から変える第一歩。
あなたの身体が“リリース”を感じる夜を、ぜひ取り戻していきましょう。
慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、
神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ

直接ご予約できます。
投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
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私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。





