「腰痛で歩けないほど痛い…それでも回復できる“安全な3ステップ”」

こんにちは。神谷町の筋膜ケア専門院【拝志フィジカルセラピー ファシアラボ】です。

「腰が痛くて歩けない」「立ち上がるのもつらい」

そんな状態になると、誰でも不安になりますよね。
「このまま動いていいのか」「安静にしていたほうがいいのか」

迷う方も多いと思います。

私が学んでいるマイオファッシャル・リリース(Myofascial Release; MFR)の視点から見ると、歩けないほどの腰痛は「壊れた腰」ではなく、「身体が自ら動きを止めている防御反応」であることが多いです。
つまり、身体が「これ以上動かすと危険」と判断して、筋膜(ファシア)を固めて守っている状態。
痛み=危険信号というより、「過緊張によるロック状態」
なのです。

今回は、そんな状態から安全に回復していくための「3つのステップ」をMFRの考え方に基づいて解説します。

1. ステップ 止めずに、ゆるやかに「呼吸」から動かす

強い痛みのとき、人は本能的に身体を固め、呼吸も浅くなります。
しかし、その“静止”こそが筋膜の硬直を進め、回復を遅らせてしまいます。

MFRの基本は、動きを完全に止めないこと。
動けないときほど、「呼吸」という小さな動きから始めましょう。

〈実践法〉呼吸リリース

  1. 仰向けまたは横向きで、痛くない姿勢をとる
  2. 手をお腹に置き、鼻からゆっくり息を吸う(お腹がふくらむように)
  3. 口からゆっくり吐きながら、腰が沈む感覚を感じる
    → これを1〜2分繰り返します。

この段階では、「痛みを取る」よりも「“防御反応を解除する”ことが目的です。
深い呼吸ができるようになると、交感神経の緊張がゆるみ、
“回復のスイッチ”」である副交感神経が働き始めます。

2. ステップ 温めて「流れ」を取り戻す

筋膜(ファシア)は温度によって性質が変わる組織です。
冷えると硬くなり、温まると柔らかくなる――いわば「温度で動きが変わる生きた膜」です。

痛みが強いときほど、身体の内側の循環が滞りやすくなっています。
そのため、温めて血流と水分の流れを戻すことが重要です。

〈実践法〉温熱セルフケア

  • ホットタオルやカイロを腰やお尻にあてる
  • 20分ほど、じんわり温まる程度に
  • その間、深呼吸を続ける

※ただし、急性の炎症(熱を持って腫れている・ぎっくり腰直後)の場合は冷却が必要なこともあります。
迷ったときは無理をせず専門家に相談しましょう。

温めることで、筋膜内のヒアルロン酸が再び水分を含み、粘度が下がります。
MFRではこれを「ファシアの再潤滑化」と呼びます。
硬く乾いた状態から、再び滑らかに動ける状態へと変わるのです。

水が少ないとゲル化します(動きが悪くなる)

3. ステップ “微小な動き”で再起動する

呼吸と温熱で身体が少し落ち着いてきたら、次は「動きを取り戻す」段階です。
ただし、ここで行うのはストレッチや筋トレではありません。
MFRの考え方では、まず「ごく小さな動き」から始めることが重要です。

〈実践法〉微小ムーブメントリリース(低負荷・高頻度)

  1. 仰向けまたは横向きで、痛くない姿勢で寝る
  2. 骨盤を1〜2cmほど、ほんの少し左右にゆらす
  3. 呼吸と合わせて、30秒〜1分ほどゆっくり繰り返す
  4. 次に、片足ずつ軽くつま先を動かす

この小さな動きが、筋膜の滑りを呼び戻し、身体に「動いても大丈夫」と教える“再教育”になります。
微細な揺れによって筋膜内のセンサーが反応し、血流・神経・リンパが再び連動を始めるのです。

MFR的にみる「歩けない痛み」の正体

歩けないほどの腰痛は、「壊れた腰」ではなく「動けなくなったファシア」であることが多いです。
ファシア(筋膜)は生きた組織であり、圧・温度・呼吸に反応して再生します。

マイオファッシャル・リリースでは、
強く押したり、無理に動かしたりはしません。
ゆっくりとした持続圧と時間をかけて、「ファシアに安全を教える」ことを目的とします。

それによって、身体が「もう守らなくていい」と判断し、自然と動きを取り戻す――
これが、MFRが“回復力を引き出す施術”といわれる理由です。

まとめ 「動けない身体」から「動くことで回復する身体」へ

ステップ内容目的
① 呼吸やさしい腹式呼吸で防御反応を解除筋膜の緊張をゆるめる
② 温熱腰・お尻を温めて循環を改善筋膜の粘性を下げる
③ 微小な動き骨盤のゆらぎ・足先の動き滑走性を取り戻す

痛みが強いときほど、無理に止まらず、小さく動くことが回復の鍵になります。
MFRの視点では、「痛みとともに呼吸し、動きながら整える」ことこそが、再び歩ける身体を取り戻すための最も安全で確実な方法です。

拝志フィジカルセラピー ファシアラボより

もし「どこから始めていいかわからない」「少し動かすだけでも怖い」という方は、
当院であなたの身体の状態に合わせた“安全な回復ステップ”をご提案します。

焦らず、やさしく、確実に。
筋膜(ファシア)は、必ず回復の方向へ動いてくれます。

慢性腰痛や背中の凝りを根本から改善したい方は、

神谷町駅徒歩1分のファシアラボへ。

直接ご予約できます。

投稿者プロフィール

拝志陽介
拝志陽介拝志フィジカルセラピー代表
私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。