MRIで異常なしなのに腰痛が続く本当の理由を専門家が解説する
「MRIまで撮ったのだから、もう手がない」と感じている方がいます。でも、MRIで異常なしという結果は、「あらゆる可能性が否定された」ことを意味しません。MRIにも、映せる範囲と映せない範囲があるからです。
A. MRIより精密な検査でも、筋膜の変化は映らないからです。
MRIはレントゲンよりはるかに多くの情報を映します。椎間板・軟骨・靭帯・腱・神経の圧迫——これらはMRIで確認できます。だから「MRIで異常なし」は、「レントゲンで異常なし」よりずっと信頼性の高い情報です。
ただ、それでも映らないものがあります。筋膜(ファシア)の機能的な変化です。
ヒアルロナンの変質
筋膜の層と層の間にある潤滑成分が固まった状態。MRIには映らない。
コラーゲンの線維化
無秩序に沈着したコラーゲンによる組織の硬化。一般的なMRIでは判別が難しい。
神経の過敏化
筋膜内の感覚神経が過敏になった状態。構造的な変化ではないため画像に映らない。
MRIは非常に優れた検査ですが、
筋膜の「状態の変化」を映すツールではありません。
「MRIで異常なし」=「問題がない」ではなく、
「MRIの範囲内に問題がない」ということです。
「MRIで何かが映っている」は要注意
逆のケースも知っておいてほしいことがあります。MRIで椎間板ヘルニアや脊柱管の狭窄が「映っている」からといって、それが今の痛みの原因とは限りません。
研究が示していること
無症状の人(腰痛のない人)のMRIを撮影した研究では、一定の割合で椎間板の変性・膨隆・ヘルニアが確認されています。つまり「画像に何かが映っている」ことと「それが痛みの原因である」ことは、必ずしもイコールではありません。
画像に映っているものを原因と決めつけて治療を進めることと、画像に映らないものを見落とすことは、どちらも慢性腰痛が改善しにくい原因になります。
触診という評価方法
筋膜の変化は、画像には映りません。ただ、手で触れることで評価することができます。固定化した筋膜の部位では、硬さ・圧痛・皮膚の動きにくさが確認できます。「MRIで異常なし」と言われ続けてきた方が来院されても、触診で必ず問題のある部位が見つかります。
「MRIまで撮ったが異常なしと言われた」「それでも痛みが続いている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。触診で筋膜の状態を丁寧に確認し、画像に映らない部分にもアプローチしていきます。
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投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
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私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。
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