腰痛改善に筋トレよりも、毎日3分のラジオ体操で関節を動かす方が良い。
水泳やジムは良い運動です。否定しません。ただ、それ以前の話として、「体操や柔軟を一切していない」という方がいます。散歩はする。でも関節を意識的に動かすことはしていない。その状態が毎日続いているとき、身体の中で何が起きているのか。
20年以上の臨床で、「最低限のケアとして何を続けてほしいか」と聞かれたら迷わず答えるものがあります。「ラジオ体操」です。
「散歩しているから大丈夫」では足りない理由
散歩は素晴らしい習慣です。血流が促され、気分も変わる。ただ、散歩は「前後方向への繰り返し運動」です。関節を最大可動域で、あらゆる方向に動かすことにはなりません。
身体に必要なのは、曲げる・伸ばす・回す・捻る——この4方向を、全身の関節に毎日届けることです。散歩だけでは届かない部分が、確実にあります。そこが少しずつ固まっていきます。
体の中に「ゴム」がある
まず、一つ試してみてください。
やってみてください
中指をもう一方の手の親指でぎゅっと反らせて、パンと離してみてください——いわゆるデコピンです。あの瞬間、指はどこに飛んでいったか。溜めた張力が一気に解放されることで指が飛んでいます。ゴムと同じ原理です。引っ張って、離す。その解放のエネルギーで動く。この「ゴムの力」が、体の中に張り巡らされています。それが筋膜(ファシア)です。
アキレス腱をイメージしてみてください。かかとの後ろにある太い腱。引っ張ると伸び、離すと戻る。このアキレス腱のような腱組織が、体全体に広がって薄くなり、膜状になったものがファシアです。筋肉が「出力」を担うとすれば、ファシアは「張力」を担います。
ゴムは、使わないと変質する。
動かさない部分のファシアは固まり、
弾力性が失われていく。
毎日動かすことが、ゴムの質を保ちます。
なぜ「ゴム」が固まると腰が痛くなるのか
慢性腰痛や股関節の痛みを抱えている方の多くは、このゴムのネットワーク(ファシア)が硬化して、張力のバランスが崩れている状態にあります。
動かさない部分を体は「負荷がかかる場所」と判断し、守ろうとしてコラーゲンを沈着させ、硬く強くしようとします。善意の防御反応です。ただその結果、ファシアの弾力性が失われていく。「なんとなく体が重い」「動き始めが痛い」「力が入りにくい」——これらの多くは、ファシアというゴムが「固まりすぎた」サインです。
なぜラジオ体操が最適なのか
ラジオ体操は、全身の関節をほぼ網羅して、最大可動域で動かす体操です。曲げる・伸ばす・回す・捻る——この4方向を、3分ちょっとで全身に行います。ジムのマシンは特定の筋肉に特化します。ラジオ体操は全身のファシアを網羅的に動かします。毎日継続することで、ファシアのゴムとしての質を保ち続けることができます。
毎朝3分。これが最低限のケアです。
ラジオ体操は「腰痛を治す体操」ではありません。関節を最大可動域で動かし、ファシアが固まり続けることを防ぐための、最低限のケアです。
激しい運動を週2回するより、軽い運動を毎日する方が、ファシアにとってはずっと有効です。「たった3分で」と思うかもしれませんが、毎日続けることで「固まらせない」状態をキープできます。何もしないと、固まっていく一方です。
ラジオ体操が習慣になったら——朝の動き出しが少し楽になる。体が重い感じが減る。「このまま悪化していくのでは」という不安が少し和らぐ。慢性腰痛を治す話ではありませんが、今より悪くしないための土台が作れます。
「ラジオ体操を始めたけれど、すでに固まってしまった部分がある」「長年の腰痛を根本から変えたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。固まったファシアの状態を触診で確認し、直接アプローチした上で、日常のセルフケアとして続けられる方法を一緒に考えます。
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投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
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私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。





