「脊柱管狭窄症」と診断された母の足の痛みが、1年で消えた話
「脊柱管狭窄症です」と言われた。足が痺れる、歩くと痛くなる、座っていても痛い。手術を勧められたが踏み切れない。「このまま一生この痛みと付き合うしかないのか」と感じている方がいます。その気持ちは、私自身の経験からも、よく分かります。
私自身も、足の痛みに悩んでいた
キャッチャーとして17年、競技生活を続けてきました。しゃがんで、立って、しゃがんで、立つ繰り返し。気づけば猫背で、首は前に出て、背中も腰も丸くなっていました。治療家になってからもデスクワークと勉強漬けで、肩・背中はガチガチに凝り、頭痛も出るようになりました。
首・肩・頭痛がようやく治まったと思っていた矢先、今度は足に問題が出てきました。特定の動きをすると足に「どん」と鈍い痛みが走るようになりました。腰を反らせるような動き、軽くジャンプした後など、決まった瞬間にだけ出る。両足、特に右側がひどく、その瞬間は足を動かすのもつらいほどでした。
臨床家として感じたのは、「これは脊柱管狭窄症の典型的な出方ではない」ということでした。神経が圧迫されているなら、特定の一動作だけで誘発されてそれ以外では何ともない、という説明がつきにくい。むしろ、ある瞬間に特定の筋膜に急激な張力がかかったときの痛み、と考える方が筋が通っていました。
足の筋膜を、自分で緩めていった
長年、腰を丸めたまま競技を続けてきた体は、その姿勢を支えるために足(特に内転筋まわり)を代償的に酷使していました。キャッチャーとしての16年で、その足はもう「強靭」という言葉がぴったりなくらい硬くなっていた。
理屈が分かれば、あとはやるだけです。「どん」とくる痛みが出た部位の深さと場所を捉え、筋肉の付着部をなめすように繰り返し緩めていきました。内転筋はそう簡単に緩まないので、トリガーポイント用の器具を使い、圧をかけたまま筋肉がほどけるまでじっと待つ——そんな地道な作業を1年以上かけて続けました。結果、今は足の痛みは全くありません。
「脊柱管狭窄症」と診断されていても、
本当はただ足の筋膜が硬く過敏になっているだけの方が、
少なからずいるのではないかと思っています。
母も、同じように良くなった
私の母も、「脊柱管狭窄症」と言われていました。座っているだけで足が痺れて痛い、歩けばもっと痛い。遠距離で治療をしてあげれていなかったのです。母は最初から私の治療を信用していたわけではありません。地元の治療院にずっと通っていたこともあって、「そんなことで治らない」「同じようにマッサージしてもらっている」と言われました。半信半疑どころか、ほぼ疑いの方が強かったと思います。
それでも少しずつ診させてもらいながら、約1年かけて丁寧に続けていきました。今はもう痛みはまったくありません。
母に競技経験はありません。でも長年、姿勢を崩したまま生活してきました。私の場合はキャッチャーというポジションが背中を丸め続ける要因でした。きっかけは違っても、行き着く先の代償パターンは同じだったのだと思っています。
治っていく過程は、まっすぐではない
ここが、この臨床を難しくしている一番のポイントです。良くなる前に、一旦痛みが強く感じられることがあります。多くの方が、この段階で治療をやめてしまいます。
これは言い訳ではなく、自分自身の体で何度も経験してきた、再現性のある経過です。アメリカのファシア治療の第一人者・ジョン・F・バーンズはこの時期を「カオス期」と表現しています。良くなる前に一時的に混乱したような状態を経る——その経過を丁寧に説明し、理解して乗り越える必要があります。
正直にお伝えします。足が痺れるほどの状態は、感覚神経が過敏になっており、治っていく経過も複雑です。一般的なマッサージで治るようなイメージは正直ありません。ただ、自分自身と母という、何よりも長く付き合ってきた2つの体で起きたことだからこそ、この話には自分なりの確信があります。
「脊柱管狭窄症だから仕方ない」の前に
もちろん、本当に手術が必要なケースもあります。それを否定するつもりはありません。ただ、「脊柱管狭窄症だから仕方ない」と決めつける前に、一度、違う角度から確認してみてもいいのではないかと思っています。
私は自分の体で4年かけて背部痛を治しました。頭痛で嘔吐していたこともあります。ロキソニンはいつもカバンに入っていました。だからこそ、本当に困っている方の力になりたいと思っています。
「脊柱管狭窄症と言われたけど、手術に踏み切れない」「足の痺れや痛みが続いている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。触診で状態を確認し、筋膜の視点から一緒に考えます。
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投稿者プロフィール

- 拝志フィジカルセラピー代表
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私が「筋膜(ファシア)」に注目するようになったのは、オーストラリアのカイロプラクティック大学で学んでいたとき、自分自身が背中の痛みや頭痛に悩まされたことがきっかけです。
その痛みの原因が「筋膜」にあることに気づき、出会ったのが、筋膜に振動刺激を与えてアプローチする「マイオセラピー」でした。
自分の身体でその効果を実感できたからこそ、この施術法は自然と、私の施術の中心になっていったのです。





